駒場Iキャンパスの野球場で練習を積む東大軟式野球部。早稲田大学、慶應義塾大学、明治大学、立教大学、法政大学の各軟式野球部とともに東京六大学軟式野球連盟に所属している。過去には優勝も経験しているが、22年秋季リーグ戦では6位と悔しい結果に終わった。今回は、逆襲を図る23年春季リーグ戦での奮闘について寄稿してもらった。(寄稿=横山秀太・東京大学運動会軟式野球部)
軟式野球部春季リーグ第9戦 vs慶應義塾大学(5月22日)
慶大|000003200|5
東大|000000000|0
東大がこの日対戦するのは慶應義塾大学。春季リーグ初戦で敗北を喫している相手であり、ここではリベンジを図りたいところだ。
東大の先発は泉湧太(農・4年)。この日は制球力が抜群だった。初回、打者3人を三者凡退にしたのを皮切りに、その後も凡打の山を築く。五回が終わるまで毎回の三者凡退で、打者15人を無安打に抑える完璧な投球を見せた。
一方の東大は、ランナーを出しながらも、なかなか相手を攻めきれない。初回、1死一塁から杉村奎伍(理II・2年)がセンター前にヒットを放ち、1死一二塁のチャンスを作るが、後続が続かない。二回裏には、無死一塁から佐藤圭祐(理I・2年)が内野安打を放ち、無死一二塁としたものの、ここでも後が続かない。
序盤のチャンスを活かせなかった東大。そうこうしているうちに、相手投手が立ち直り、徐々に攻撃に苦しむようになっていく。三回、四回と続けて三者凡退に終わり、五回には四球でランナーを出すも、無得点。
このまま投手戦に突入するかとも思えたが、試合が進むにつれ、相手打線は泉の球を徐々に捉えていく。六回表、先頭打者にセンター前ヒットを放たれると、その後の打者にもセンター前ヒットを浴び、1死一三塁とされる。そこで迎えるのは相手の1番打者。3巡目に入った慶大打線は、泉の甘い球を見逃さなかった。泉の投じた初球は完璧に捉えられ、タイムリーヒットにより、相手に先制を許してしまう。続く打者にはヒットこそ許さなかったものの、味方のエラーと犠牲フライによってさらに2点を加えられ、この回、痛恨の3失点。
勢いに乗った慶大打線は止まらない。七回表には、泉に代わり安藤拓登(工・3年)が登板するも、1本の長打を含む複数安打を浴び、さらに2点を失ってしまう。東大は、終盤で5点差を追いかけざるを得なくなった。
一方の慶大は七回に右のエース・田村誓悟、九回には左のエース・桃原快輔に継投し、東大打線を封じ込めにかかる。前回の対戦でも苦しめられた両投手に対し、東大は今回も手が出ない。終盤も快音は響かず、無得点のまま完敗を喫した。