駒場Iキャンパスの野球場で練習を積む東大軟式野球部。早稲田大学、慶應義塾大学、明治大学、立教大学、法政大学の各軟式野球部とともに東京六大学軟式野球連盟に所属している。過去には優勝も経験しているが、22年秋季リーグ戦では6位と悔しい結果に終わった。今回は、逆襲を図る23年春リーグ戦での奮闘について寄稿してもらった。(寄稿=横山秀太・東京大学運動会軟式野球部)
軟式野球部春季リーグ第3戦 vs立教大学(4月13日)
東大|000100000|1
立大|00100010X|2
春季リーグ第3戦の相手は立教大学。開幕から2連勝している絶好調のチームである。
先制したのは立大だ。三回裏、東大先発の林隼介(工・3年)は1死から四球を出して出塁を許すと、そこから右安を打たれて1死一三塁とされる。続く打者には内野ゴロを打たせるも、野選により1点を先制されてしまう。なおもピンチは続いたが、三塁走者と打者を仕留め、なんとか最少失点でしのぐ。
東大も負けてはいない。四回表、東大の攻撃は上位打線から始まった。先頭の真田恒(育・3年)が相手の失策で出塁すると、続く三宅偉斗(文I・ 2年)の送りバントで1死二塁。そこから3番・丸澤勇介(法・4年)の四球、4番・野上拓朗(農・4年)が二安と続き、1死満塁とする。
そこで打席が回ってきたのは、前の試合で3打数3安打の活躍を見せた5番・田中直旺(工・4年)。ここは遊ゴロに倒れるが、その間に三塁走者が生還し、今日もきっちりと仕事をこなす。試合は振り出しに戻った。
チャンスは再び訪れる。五回表、先頭の杉村奎伍(理II・2年)が二安で出塁したのを機に、相手の失策とバントで1死二三塁のチャンスを作る。しかし、ここは後が続かず無得点に終わってしまう。
一方、東大は五回裏からは本岡真秀(経・3年)が登板。得点圏に走者を背負うも、味方の好守にも助けられるなど、持ち前の「打たせて取る」投球で無失点に抑える。六回裏からは檜山岳(理I・2年)が登板。速球と落差のある変化球を武器に、2三振を奪い、この回も無失点に抑える。
投手戦の様相を呈する中、均衡を破ったのは立大だった。七回裏、東大は2死二塁から中安を放たれ、ついに1点を勝ち越される。この1点の重みは大きく、そのまま試合は進んでゲームセット。ワンチャンスをものにできたか否かが、明暗を分けた試合であった。