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2024年11月4日

【東京六大学野球】立大2回戦 立大に大敗で勝ち点ならず 引退の4年生が最後の勇姿

 硬式野球部(東京六大学野球)は10月27日、立教大学と秋季リーグ戦を戦い、5ー13で敗北した。立大からも勝ち点を得られず、54季連続での最下位が確定したが、最終回に意地の猛攻で得点を重ね、今季引退の4年生が最後の勇姿を見せつけた。(取材・清水央太郎、新内智之、赤津郁海、宇城謙人)

 

立大|251001400|13

東大|000000005|5

 

 前日は九回2死走者なしからホームランで逆転サヨナラ負けを喫した東大。すぐ近くまで手繰り寄せていた勝利を逃した悔しさを胸に、チーム一丸となって立大に挑む。

 

 先発のマウンドに上がったのは鈴木太陽(経・4年)。自身にとって最後のシーズンとなる今季に急成長を見せた右腕だ。7年ぶりとなる1カード2勝での勝ち点、そして27年ぶりとなるリーグ最下位脱出のために、鈴木の気迫の投球に大きな期待がかかる。

 

 負ければ今季最終戦となってしまう選手たちの期待も、スタンドにぎっしり詰め寄せたファンの期待も一身に背負う鈴木。しかし初回から制球に苦しみ、二つの四死球を与えてしまうと、犠牲フライと2本の長打が絡んでいきなり2失点。そして立ち直りが期待された二回にも続々と安打を打たれ、さらに1点を失ったところで大久保監督は早くも投手交代を決断。鈴木の顔には、流れを引き寄せられなかった責任感ゆえか、悔しさがにじむ。

 

 悪い流れを断ち切るべく鈴木からマウンドを譲り受けたのは、平田康二郎(育・4年)。今季序盤まで先発を務めながら、リリーフに配置転換となった右腕だ。その悔しさをぶつけた活躍が期待されたが、立大打線の猛攻を止めることができない。続々と3本の適時打を浴び、その度にスタンドからはため息が漏れる。

 

 二回表時点で0ー7と大量リードを許す展開に、なんとか奮起することが期待された打線。しかし相手先発投手・田中優の前に二回から六回まで1人の走者も出すことができず、手も足も出ず押さえ込まれていく。

 

九回表に登板した松本慎之介(理Ⅱ・1年) 流れを呼び込む投球に、小さくガッツポーズ(撮影・宇城謙人)

 

 よもや完封負けかとも思われた九回裏。強力な立大打線に飲み込まれてすでに点差は13に広がっていたが、一矢報いようという打者たちの思いが爆発する。先頭の橋元崚人(文・4年)の死球を皮切りに一、二塁の好機を迎えると、打席に立ったのは酒井捷(経・3年)。甘く入った球を振り抜くと、打球はライトにぐんぐん伸びてフェンス直撃。二塁走者が快速飛ばして生還し、適時二塁打となる。さらに満塁と攻め立て、大盛り上がりのスタンドの声援を受けて大原海輝(文・3年)が打席に。前日の試合では九回に一時逆転となる適時打を放ち、スタンドを沸かせた大原。この日も本来の圧倒的な打撃力に期待がかかる中、2球目を打ち返すと打球は右中間を真っ二つ。期待に応えるかのように、走者3人全員をホームに迎え入れる適時二塁打を放った。

 

 ここに来てファンの誰もが期待していた爆発を見せた東大打線。しかしながら4点を奪ったところで立大の投手が三河から吉野に代わると、丁寧に制球された速球の前に打者たちは続々と打ち取られていく。堀部康平(文Ⅰ・2年)が押し出しの四球を選んで5点目を奪うも、反撃はここまで。2死満塁で打席に入った青貝尚柾(育・3年)は打球を打ち上げてしまい、高く上がった打球は相手捕手がキャッチしてスリーアウト。いつまでも続くかのように思われた夢の攻撃も、ここで終了となってしまった。

 

最後の打者となってしまった青貝(中央)は天を仰ぐ(撮影・宇城謙人)

 

 2日連続の敗北となってしまった東大。しかし九回に選手の意地、闘志が一体となって見せた猛攻は、今季引退の4年生にとっては新たな世界へ旅立つ前の思い出になったことだろう。

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