部活・サークル

2024年12月11日

【六大学野球2024を振り返る】攻守に個性が開花の春 2度実を結んだ歓喜の秋

 

 本記事では、東京六大学野球2024を写真と共に振り返っています。最後に、編集部員による “推し選手” を3人ご紹介しています。(構成・五十嵐崇人)

 

春季リーグ

 

3本の本塁打がさく裂! 東大打線を侮るなかれ

 

 開幕カードの慶大2回戦にて府川涼太郎(文・4年)が早速2ラン本塁打。明大2回戦では初回に大原海輝(文・3年)が3ラン、法大2回戦では杉浦海大(法・3年)がバックスクリーンへ豪快なソロ。大原は春季で打率.333を誇り、ベストナインにも選出された。

 

打球の行方を見つめ本塁打を確信する府川
3ランを放つ大原はベストナインに選出

 

エースから新星まで さまざまな投手が躍動

 

 平田康二郎(育・4年)と鈴木太陽(経・4年)の2枚看板に加え、渡辺向輝(農・3年)が防御率2点台と安定感を発揮し佐伯豪栄(理II・2年)、前田理玖(文Ⅲ・2年)の2年生コンビも台頭。立大戦では期待の1年、松本慎之介(理II・1年)の初登板も。

 

頼れる先発、鈴木太
松本慎の初登板

 

 

秋季リーグ

 

粘投の末の完投勝利!

 

 慶大2回戦では鈴木太が、法大2回戦では渡辺が、それぞれ完投し劇的な勝利をつかんだ。渡辺は春の3倍以上の36イニング超を投げて秋季防御率は3点台と、来年への期待も膨らむ。

 

1失点で慶大に勝利した鈴木太
ピンチをしのぎ続け勝利した渡辺

 

進化し続ける打撃陣

 

 慶大2回戦で貴重な追加点を奪った杉浦、法大2回戦で決勝打を放ちサヨナラを決めた門田涼平(文III・2年)、.341のハイアベレージを記録した中山太陽(経・3年)など春にインパクトを残した選手たちが一回り大きくなった姿を見せ、今秋復帰した酒井捷(経・3年)も健在ぶりをいかんなく発揮。中山は秋季ベストナインにも選出され、より分厚くなった打線も7年ぶりシーズン2勝を語るには欠かせない。

 

打撃も好調の捕手・杉浦
法大戦で決勝打を放つ門田

 

喜びに沸く選手たち

 

 投打共に年々選手層が厚くなってきた東大。今年戦ったメンバーの多くは来年も残る。自分たちの野球を続ければ、躍進への扉も開くはずだ。チームで喜びを分かち合い、応援席にも感動を届ける勝利の瞬間を来季はより多く見せてくれるに違いない。

 

 

 

 

 

編集部員による推し選手紹介

 

【小村旺輔選手(文I・2年)】「東大にしては」の枕詞が不要の好守 技術と度胸を併せ持つ「攻めの守備職人」

 

 内野手の間を切り裂く鋭い打球。安打を確信し沸き立つスタンド。しかし打球を待ち構える「影」が一つ。安定したグラブさばきと送球で反対側の応援席を沸かせてみせた。遊撃手なら一度は夢見る一幕を神宮の舞台で毎試合、さも当たり前のように記録できる選手が小村なのだ。同じ守備位置でしのぎを削った明大の宗山、早大の山縣がNPBへ羽ばたく来年。数年ぶりに空位となる「六大学の守備職人」の座を射止めるのは、きっと彼に違いない。【条】

 

 

【榎本吉伸選手(文・3年)】赤門のスピードスター 打力アップでレギュラーを取り戻す

 

 センターのポジションをがっちりと確保し規定打席(チームの試合数×3.1)にも到達した春季リーグからは一転、秋季リーグはわずか4打席の出場機会に限られ無安打に終わる不本意な結果に。それでも、途中出場した早大1回戦では左中間フェンス際の打球をウォーニングトラックまで追いかけてスライディングキャッチ。俊足と広い守備範囲を見せつけた。外野手の選手層は厚いが、決してその中で埋没する個性ではない。もがいた秋の経験を糧にレギュラーに返り咲き、来年は東大躍進の立役者になる。【眞】

 

 

【中山太陽選手(経・3年)】高身長から繰り出す強い打球 ベストナインをも受賞した左のスラッガー

 

 チームが整列する際、文字通り“頭ひとつ抜けた”選手が1人。試合開始後も、これまた頭ひとつ抜けた打棒を発揮する。秋季リーグでは自身初の3ランホームランを着火剤に、法大1回戦以降は5試合連続安打を記録。リーグ8位の打率.341を残し、7年ぶりのチーム2勝の原動力となった。“太陽”の名に恥じぬ燦然(さんぜん)たる今年の活躍ぶりも、まだ序章に過ぎないはず。そう思わされるほど、今後の更なる躍進に目が離せない選手だ。【仁】

 

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