授業や学生生活に燃える新入生の前に立ちはだかる最初の壁が時間割作り。授業がたくさんありすぎてわからない、とりあえず面白そうなものを受けようか……と考えているあなた。せっかくなら、今の漠然とした興味だけではなく来年の進学選択、あるいはさらにその先につながる充実した学びを得たくないだろうか? そんな人のために、本記事では昨年4月入学の先輩の履修例を大公開。実際に学生がこの1年何に重点を置いて、何を目指して授業を受けていたのか覗いてみよう。(1Sは1年Sセメスター、1Aは1年Aセメスターを意味する。セメスターは4カ月単位の授業期間。時間割は1Sのもの)(構成・鈴木茉衣、取材・新内智之、宮川理芳、佐藤万由子、小原優輝)
【文I×司法書士志望】失敗はAセメの教訓に
1Sでは先輩の助言を基に14こま履修し、いわゆる必修や選択必修以外は自分の興味に従って選びました。1Aでは1Sの教訓を生かし「1限を入れない」「空きこまを作らない」「疲れてくる木曜日を全休にする」などのマイルールを加えましたね。進学選択では法学部に進み将来は弁護士資格を取った上で司法書士になりたいと考えています。もともと、専門的な知識を身に付けて他の人の役に立ちたいと思っていた上に家庭の影響で幼少期から法が身近だったので、この進路は大学入学前から決めていました。
1Aの「ドイツ語初級(インテンシヴ)」のおかげで必修のドイツ語の授業がものすごく理解しやすくなりました。先生はネイティブですが、日本語も堪能で意思疎通も容易でした。1Aで取った中国文学史がテーマの「ことばと文学Ⅱ」では面白い本をたくさん知ることができ、読んでいて楽しいですし、アルバイトで高校生を学習指導する際にも有用です。1Sの「国際関係論」、1Aの「現代国際社会論」は東大2次試験の世界史で600字論述が得意だった人におすすめです。入試よりもさらに大局的な視点で世界史を捉えられる内容になっています。
課題は休みの日に全て後回しにするのではなく、軽めのものは記憶が鮮明なその日のうちに処理しましょう。講義形式の授業では予習も大切です。1Aでは授業がなかった1限の時間を使っていました。授業は情報量が多く、何もせずに臨むと分からないことだらけになってしまいます。授業は復習という意識で受けましょう。インプット中心の高校時代とは違い、大学は学んだことを生かして根拠ある主張を作るのが大事です。この力は社会に出てからも役に立つはずなので、自分なりの考えを持ちほかの人の意見に振り回されないようにしましょう。