授業や学生生活に燃える新入生の前に立ちはだかる最初の壁が時間割作り。授業がたくさんありすぎてわからない、とりあえず面白そうなものを受けようか……と考えているあなた。せっかくなら、今の漠然とした興味だけではなく来年の進学選択、あるいはさらにその先につながる充実した学びを得たくないだろうか? そんな人のために、本記事では昨年4月入学の先輩の履修例を大公開。実際に学生がこの1年何に重点を置いて、何を目指して授業を受けていたのか覗いてみよう。(1Sは1年Sセメスター、1Aは1年Aセメスターを意味する。セメスターは4カ月単位の授業期間。時間割は1Sのもの)(構成・鈴木茉衣、取材・新内智之、宮川理芳、佐藤万由子、小原優輝)
【文Ⅲ×ゼミ系に注力】複数の授業で理解を深める
文Ⅲにしたのは、他の科類よりも権威主義的側面が小さいだろうと考えたから。「とりあえず文I」みたいな選び方はしたくありませんでした。進学選択で高い点数が必要になることはあっても、選択に後悔はありません。
1Sを受けて分かったのですが、一つ一つの教科をきちんと勉強しようとすると各セメスター26〜27単位が限界でした。先輩たちは「1年生の間に進学選択参加に必要な科目を取り切るべし」といって30単位取ることを薦めますが、むしろ少なめにして初年次ゼミナールで負担の重いものを取る方が良いと考えます。結果的に得られるものは大きくなるはずです。
私は後期課程では教養学部の国際関係論コースを志望していることもあって、吉本郁先生(総合文化研究科)のゼミを選択しました。毎週とても大変でしたが、論文を書く際に必要な全ての工程をしっかりと学べたので一番取って良かった授業だと思います。実際『逆評定』(学生団体・時代錯誤社が発売、受けた授業を学生が評価したアンケート結果をまとめたもの)でも学生からの評価が高い「大仏」でしたね。
必修以外の授業については、高校までの予備知識がなく新たに学ぶ分野であればなるべく内容の近いものを複数取るようにしました。いくつかの視点から深く理解できるようになります。例えば「近現代史」と「歴史と文化」の授業は、ともに「周縁から見た世界構造」というテーマが共通していましたし、1Aの「歴史Ⅱ」とも関連していました。
必ずしも先輩の言うことが正しいとは限りません。自分の能力や他の活動の忙しさも考えて履修を決めるようにしましょう。