留学に行きたいと思いつつ、不安を抱いている人は多いだろう。そんなあなたにおすすめなのが、この企画「てるよしかねこのリアルタイム留学記」だ。2024年の秋から英国に1年間、現在進行形で留学をしている金子照由さん(24年3月東大工学部卒業)が、リアルな留学事情をお届けする。リアルタイムで留学に行っていることを生かし、本編とは別に読者から質問に答えるコーナーも設けた。過去の留学を振り返るのではない、フレッシュな記事をお楽しみいただきたい。(寄稿=金子照由、編集=安部道裕、写真は全て金子さん提供)
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ハリー・ポッターの聖地、エディンバラへ
新年を迎えたロンドンはこの頃ますます冷え込んでいる。晴れ間がないせいで、日中でも気温は0度周辺だ。朝起きるのが一段と辛い季節であるが、私の通うAAスクールでは2学期が始まった。3週間もの休暇があったせいか日常のリズムはまだ取り戻せず、つい旅行先での楽しい記憶に思いをはせてしまう。今回はクリスマス休暇中に訪れたエディンバラの話にお付き合いいただこう。
エディンバラはロンドンから約600km北に位置する都市で、英国を成す国の一つスコットランドの首都だ。『ハリー・ポッター』シリーズの著者J.K.ローリングが、同作品を執筆していた時期に住んでいた街として良く知られている。
デパートやホテルが並ぶ近代的なニュータウンと、中世の趣を色濃く残すオールドタウンが谷を挟んで向かい合っている。オールドタウンには、作中に登場するホグワーツ城のモデルの一つと言われるエディンバラ城が崖の上にそびえ立つ。城内には家屋、監獄、教会などが保存されており、現在は美術館として公開されている。展示を通じて、スコットランドを守り抜いてきた歴史に触れることができるのも魅力だ。
何を隠そう、私は『ハリー・ポッター』の大ファンである。そのためエディンバラに来てからは興奮しっぱなしだった。ファンにはぜひ訪れてほしいスポットがいくつかある。まずはビクトリアストリート。作中に登場するダイアゴン横丁のモデルとなったとされるこの通りには、個性豊かなショップが立ち並び、散策だけでもワクワクする。
墓地の「グレイフライアーズ・カークヤード」も見逃せない。まるで『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』に出てくるような雰囲気のこの墓地には、作中のキャラクターの名前の由来となった墓碑もある。トム・リドル(ヴォルデモート)の名前が刻まれた墓石を見つけたときには、鳥肌が立つような感動を覚えた。
ハリー・ポッター関連はこのくらいにしよう。建築を学ぶ私としては、セント・ジャイルズ教会が印象的だった。イギリスにおけるゴシック建築の象徴であるファン・ボールトを見ることができるが、他と一線を画す複雑で、繊細で、独特な美しいデザインが楽しめる。建築好きにはたまらないスポットだ。
カールトン・ヒルも外せない。ニュータウンから徒歩数分でアクセスできるこの丘からは、エディンバラの街並みを一望できる。特に夜に訪れるのがおすすめだ。街灯が少なく真っ暗な道なため肝試しのような気分になるが、その先に広がる夜景はまさに絶景。温かな灯りに包まれた街の景色は、一生忘れられないだろう。もしイギリスに滞在する予定があれば、是非ともエディンバラに訪れてはいかがだろうか。
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