ヤマトホールディングス、SBSホールディングス、鈴与の3社は1月24日、先端科学技術研究センターの先端物流科学寄付研究部門で、4月から工学系の大学院生に向けた講義を開始すると発表した。同研究部門は昨年7月、3社の寄付により設置されていた。
現在の物流業界は少子高齢化や電子商取引(EC)の急激な発展による荷物量の増加、トラックドライバー不足など、多くの課題に直面している。物流業界に属する3社は、同業界の課題を解決するため、東大の研究をサポートしてきた。同時に、従来とは異なる科学的視点で、ビッグデータやIoTといった新技術などを活用できる高度物流人材の育成も検討していた。
同研究部門が実施するのは工学系の大学院生に向けた先端物流科学特論Ⅰ・Ⅱ。物流に関連する分野を専門とする教員や、企業から招いた講師によるオムニバス形式の講義で、西成活裕教授や井村直人特任教授(共に先端科学技術研究センター)の他、工学系、経済学系の教員らが担当する予定となっている。加えて、AI技術など最先端の科学技術や、物流の実務などについて研究する。原材料調達から生産・販売に至るまでの物流やその管理過程を指す「ロジスティクス」の今後のあるべき姿を議論し、課題について数理科学の視点から研究する。
この記事は2020年2月11日号から転載したものです。本紙では他にもオリジナルの記事を掲載しています。
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