1年遅れで開催された東京オリンピック・パラリンピックに衆議院議員総選挙、何度も発出された緊急事態宣言などいろいろあった2021年も気付けばもう終わり。今年は東大関係者にとってどんな1年だったのでしょう。弊社ウェブメディア「東大新聞オンライン」で読まれた記事を通じて振り返ります。(構成・松崎文香)
1〜3月:入試シーズン、受験関連が人気
多くの大学で入学試験・合格発表が行われる1〜3月にかけては、受験関連の記事が多く読まれた。
ランキングの1〜3位は、東大の合格発表直後の3月に公開された「東大不合格のその後」が独占。東大を受験するも不合格となり、他大学へと進学した3世代へのインタビューがSNSで話題となった。16年公開の記事「受験当日にして良かったこと/しなければ良かったこと」が再びよく読まれ、9位にランクイン。また、10位には高校卒業後、予備校に通わずに受験勉強をする「宅浪」をテーマに、経験者がそのメリットやデメリットについて座談会で語り合った記事がランクインした。
4・5・7位は、東大工学部建築学科を卒業し大工として就職した後、理IIIを再受験して合格した栗林熙樹さんのインタビュー。東大の建築学科から大工を経て理IIIに再入学という珍しい経歴や、子育てと学生生活の両立に注目が集まった。
4〜6月:東大のワクチン開発に関心、対面の入学式も話題に
医療従事者や高齢者への優先接種など、日本国内でワクチンへの関心が高まり始めた春。1位は、日本や東大のワクチン開発の現状を報じた連載「東大のワクチン開発の現状を追う」の中の、石井健教授(東大医科学研究所)に取材した「なぜ日本はワクチン開発に出遅れたのか?」。資金や臨床試験のための制度の遅れを指摘した。2位と7位は東大のワクチン学内接種を報じたニュース。7月接種取開始と発表があり、注目が集まった。
9位には、2年ぶりに日本武道館で対面開催された入学式の記事がランクイン。対面での入学式が中止され、ウェブサイトで総長・来賓の祝辞などが配信されるのみにとどまっていた令和2年度入学者の入学を祝う歓迎式典も、6月に安田講堂にて対面で実施された。
その他「東大で物理学を学ぶにはどの学科に進学すべき?」や「現役東大院生にあれこれ聞いてみた」など、東大での学びをテーマにした記事がランク入りした。
7〜9月:コロナワクチン学内接種・就活関連に注目集まる
世間的にもワクチン接種が続々と開始された7〜9月。東大では7月に開始された学内接種についての関心が高まった。当初の学内接種計画からの大幅変更を報じた記事が1位に、すでに東大で接種されたワクチンへの異物混入の可能性を伝えるニュース記事が3位に入った。5・7・8位も学内接種関連の記事が占め、ワクチンへ注目が集まった3カ月だった。
夏休み期間中に企業のインターンが多く開催される影響か、2位と9位は就活に関する記事となった。2位の記事「21卒東大生就職状況」には各学部・研究科への問い合わせを基に東大新聞が独自に作成したランキングが掲載されており、例年他にはない情報を求めて多くの読者が集まる。なお、全ての就職先が網羅されたデータは8月号「就職特集号II」に掲載されている。9位は官庁に勤める東大出身者と採用担当者に、業務内容や求める学生像などを聞いた例年恒例の企画「官庁訪問」だった。
10〜11月:角野隼斗さんインタビュー、ショパンコンクールで再び脚光
過去の記事が多く読まれた10・11月。10 月に開催された第18回ショパン国際ピアノコンクールにて活躍した、東大出身のピアニスト・角野隼斗さんの19年のインタビューが1位に。情報理工学系研究科で研究をしながら、ピアノコンクールでも活躍を続けていた大学院生時代の話に再び注目が集まった。公開以来、多くの人に読まれてきたこの記事は「東大新聞オンライン」内で今年2位のPV数だった。
この期間に公開された記事では、現役東大生へのアンケート結果に基づいた「東大生は小学校時代の算数にどう向き合った? 436人の回答から見えた学習のコツとは」が3位に。9月に発表された「THE世界大学ランキング2022」に関する記事も5位に入った。その他「ことばの源を探る ことばの獲得と新たな言語の誕生から」や「本が広げる本の世界──批評から始める秋の読書マップ」など、読書の秋らしい記事が多く読まれた。