東大新聞オンラインで6月に公開した記事の6月中のアクセスランキングを調べたところ、1位は英国の大学評価機関クアクアレリ・シモンズ(QS)社が発表した世界大学ランキングについての記事だった。東大は過去10年で最高位の23位。国内首位を維持し「学術評価」でも昨年に続き満点と高い水準を保っている。しかし、「外国人教員数」や「外国人学生数」などで極端な低評価を受け、国際性の低さが指摘された。
2位は連載企画「蹴られる東大」より、開成学園の柳沢幸雄校長へのインタビュー記事だった。柳沢校長は、東大が選択肢の一つとなり競合大学を意識するようになることは重要だと述べた。さらに、現在の若者が親と同じ生活水準になることができないと不安感を抱いている点を分析し、日本の社会が抱える不安と留学の関係についても説明した。
3位は2020年度からの大学入学共通テストで導入される英語民間試験の利用についての議論を取り上げた記事。同試験を利用しない従来の姿勢から一転して入試に活用する方針を発表した入試担当の福田裕穂理事・副学長に対し、教養学部英語部会から反発の声が上がった。英語部会は、国立大学協会が示した民間試験利用の懸念点が解消されていないとし、見直しを求めている。
4、5位は東大の五神真総長に対するインタビュー記事だった。4位の記事では若手研究者に対する大学の支援について五神総長の動きをまとめた。若手研究者の任期なし雇用が06年から16年までで520人減少している現状を深刻に捉え、雇用安定化と研究環境の改善は最優先課題だと語った。5位の記事では、女子学生家賃支援に対する総長の狙いを明らかにした。「女子学生を歓迎するというメッセージを強く打ち出したかった」と言い、今後もそのメッセージを発信していく姿勢だ。
7位は13年に刊行された『永続敗戦論 戦後日本の核心』(太田出版)の著者である、京都精華大学専任講師・白井聡さんへのインタビュー記事。8位は東大ラクロス部男子が6月24日、伝統の一戦である京都大学戦で12─3で完勝したというスポーツ記事だった。
9位には大学入試問題の解答の公開を原則とした文部科学省の通知についてのニュース記事がランクイン。17年度入試で続発した大学入試問題の出題ミスを受け、文科省は19年度大学入学者選抜要項を発表し、各大学に対して入試問題の解答を原則として公開するよう通知した。これについて、東大は「これから検討する」と、慎重な対応を示した。
10位の記事では教育系ベンチャー・NEXCITEを立ち上げた土井皓介さん(育・4年)を取材。NEXCITEは家庭教師マッチングサービス「DREE」を運営することで、夢を持つ子供たちにその分野の異才を家庭教師として紹介し、夢を現実にすることを目指す。「受験向けではなく、あくまで子供たちの好奇心に寄り添った教育を」と、土井さんは「DREE」を立ち上げた際の熱い思いを語った。
【2018年6月アクセスランキング】
1 QS世界大学ランキング 東大は過去10年で最高の23位 国際性の評価深刻
2 【蹴られる東大⑧】開成生はなぜ海外大を目指すのか・開成学園柳沢校長インタビュー
3 共通テスト英語民間試験 教養学部英語部会から反発の声 「懸念解消されず」
4 五神総長、私たちは希望を持って大学の研究者を目指せるのでしょうか?
5 五神総長、なぜ女子学生に対する家賃支援を始めたのですか?
6 【2018年5月アクセスランキング】「推薦の素顔」に関心
7 新たな「国体」はどこにある?ーー『国体論』刊行記念・白井聡さんインタビュー
8 ラクロス部男子 攻撃で京大を圧倒し9点差勝利 昨年惜敗の雪辱果たす
9 文科省通知 入試解答原則公開に 東大「対応はこれから検討」
10 「尖った知識や能力、募集します」東大発ベンチャーNEXCITEの挑戦
※当該期間に公開した記事のみを集計
過去のランキング
【2018年4月アクセスランキング】連載「蹴られる東大」が人気
【2018年3月アクセスランキング】3/10実施の合格発表に高い関心
【2018年1月アクセスランキング】近藤選手の箱根欠場に注目
【2017年アクセスランキング】まつりさんの記事が今年の年間1位に
【2017年12月アクセスランキング】東大生のSNS事情に高い関心
【2017年11月アクセスランキング】東大生の「銀行志向」に関心
【2017年10月アクセスランキング】「ボカロ」関連の記事が人気
【2017年9月アクセスランキング】哲学者の勉強論に高い関心
【2017年8月アクセスランキング】「駒場図書館冷房停止」が1位
【2017年7月アクセスランキング】宮台教授のメッセージに注目