東大新聞オンラインで6月に公開した記事の6月中のアクセスランキングを調べたところ、1位は2016年に開校した、学校法人角川ドワンゴ学園が運営する通信制高校「N高等学校(N高)」を特集した記事だった。N高では、カリキュラムを効率化しオンライン学習を活用することで、必須履修科目を一般的な全日制高校の3分の1程度の時間で終える。残った時間は「自らの個性を伸ばす時間」に充てるという。高校教育に職業的意義が求められるようになった今日、N高の一見奇抜な施策は注目を浴びたようだ。
2、4、5位にもN高の特集がランクイン。これらの記事は、より具体的なN高のスクールライフに迫った。N高では各生徒のレベルに合わせた英語教育やプログラミング講習が行われる。いずれも生徒からは「分かりやすい」と評価が高い。多様な選択肢を提示し、その中から生徒自身が自分に合うものを選ぶのがN高の大きな特徴だ。
3位に入ったのは、不正告発のあった東大関係者の論文計22報の調査が終了したことを伝える記事。本部広報課によると、不正がない限り調査の報告書の内容などは公表しないという。昨今学術論文の信ぴょう性が疑われる機会が増え、論文不正に対する調査も厳格化されている。
6位は電通過労死事件の関係者らを招いた五月祭シンポジウムをレポートした記事だった。これは東大新聞OGの社会人の視点から書かれたものだ。高橋まつりさんの遺族代理人を務める川人弁護士は、日本の過労死について、海外にはない特殊な実態だと主張。事件への注目度の高さが反映された形だ。
7位は将棋の学生日本一を決める「第73回学生名人戦」で、将棋部1年の藤岡隼太さんが優勝したことを伝えた記事。8位は医学系研究科の笠井教授らが、一般に統合失調症患者にはグルタミン酸系神経伝達の異常が見られるという傾向を確認したことについての記事だった。9位は英国の大学評価機関クアクアレリ・シモンズ社が毎年発表する世界大学ランキングで、東大が世界28位に上昇したことを知らせる記事となった。
【2017年6月アクセスランキング】
2 【N高生のリアル②】東大受験から基礎固めまで レベルに合わせた英語教育
3 東大関係者の論文不正疑惑、本調査を完了 不正がなければ公表せず
4 【N高生のリアル③】「N高は『道具箱』」 可能性を生むプログラミング
5 【N高生のリアル①】 昼休み明けの恒例授業「サークルリーディング」とは?
6 過労死をなくすため、再考するべき5つの論点…東大五月祭シンポジウムレポート
7 将棋・学生名人に1年の藤岡さん 藤井四段に敗れるも「貴重な経験できた」
8 東大医学系研究科・笠井清登教授ら、統合失調症患者に神経伝達異常を確認
9 QS大学ランキング 東大は世界28位へ上昇 アジア5位は変わらず
10 【はじめての論文】武藤香織教授(医科学研究所) 卒論執筆は医者への怒りが原点
※当該期間に公開した記事のみを集計
過去のランキング
【2017年5月アクセスランキング】高橋まつりさん関連記事に大きな注目
【2017年4月アクセスランキング】今年も新入生アンケートに高い関心
【2017年3月アクセスランキング】トップは東大生のテレビ 合格発表の記事も上位に
【2017年2月アクセスランキング】東大女子の座談会特集、入試関連記事に注目
【2017年1月アクセスランキング】1位はブラックラボ検証 受験関連記事も人気
【2016年アクセスランキング】東大新聞オンラインで今年1番読まれた記事は……?
【2016年11月アクセスランキング】トップは図書館閉鎖問題 アメフト、制作展の記事が続く
【2016年10月アクセスランキング】ボカロ講義録が1位に 2位は新設の研究者支援制度