サウジアラビアの世界大学ランキングセンター(CWUR:Center for World University Rankings)は7月15日、2014年度世界の大学トップ1000校ランキングを発表しました。東京大学は全体13位で、アジア・太平洋圏ではトップとなりました。
過去3年間の、トップ20大学の推移は下記のようになっています。
日本国内の大学のランキング推移は、下記のようになっています。
日本からは、トップ1000校の中に74校がランクインしました。これは、アメリカの229校、中国の84校に次ぐ多さになります。
同センターは、以下、8つの指標を用いて大学のパフォーマンスを評価しました。
- 教育の質(25%):国際的な賞・賞金・メダルを獲得した卒業生の数
- 企業における活躍(25%):フォーブスが選んだ上場企業2000社のCEOに就いている卒業生の数
- 教授の質(25%):国際的な賞・賞金・メダルを獲得した教授の数
- 論文発表(5%):定評のある国際学術誌に発表された研究論文の数
- 論文影響力(5%):大きな影響力を持つ学術誌に採択された研究論文の数
- 引用(5%):多く引用された研究論文の数
- h指数(5%):h指数(論文数と被引用数に基づき、研究成果を定量化する指標)
- 特許(5%):国際特許の出願数
この指標を用いた東京大学の評価内訳をみると、下記のようになります。
東京大学は、「企業における活躍」の項目で全体3位に位置します。これは、東京大学が、1位のハーバード大学、2位のスタンフォード大学に次いで、多くのCEOを世界に輩出していることを意味します。一方で、「教授の質」「引用」「h指数」は、いずれも30位前後に位置し、ランキングを下げる要因になっていることが分かります。
同センターは、「世界中の学生・研究者・大学・政府から信頼される、最も包括的な大学ランキング」を提供することを目的に、調査を行っています。現在、世界の大学の総合ランキングは、
- 毎年8月に、中国の上海交通大学が発表する「世界大学学術ランキング(ARWU)」
- 毎年9月に、イギリスのクアクアレリ・シモンズ社が公表する「QS世界大学ランキング」
- 毎年秋に、イギリスの専門誌『タイムズ・ハイアー・エデュケーション』が公表する「THE-TR世界大学ランキング」
の3つが主流とされています。いずれも評価に用いる指標が異なるため、ランキング間には違いが見られます。直近のランキングを見ると、東京大学は、
- ARWUで21位
- QS世界大学ランキングで32位
- THE-TR世界大学ランキングで23位
となっており、いずれも今回の13位よりも低い評価となっています。その背景として、CWUR以外のランキングでは、外国人教員比率や留学生比率など「国際化」がひとつの指標に選択されていることが挙げられます。一方で、本CWURのランキングでは、「企業における活躍」という産業界に対する貢献度が評価の大きな部分を占めています。世界第3位に評価されたこの指標の影響で、東京大学は従来に比べ好評価を獲得することができたと考えられます。
オンライン編集部:荒川拓
本記事のデータは、すべてCenter for World University Rankingsの許諾を得て使用しています。本文中の図表に関するお問い合わせは、digital(at)utnp.orgまでお願いします。