東京大学新聞社は3月28、29日、東大の春期新入生を対象にアンケートを実施し、2796人から回答を得た。アンケートは毎年新入生が入学する時期に行っており、受験や大学生活、進路への意識や社会問題への賛否などを質問している。昨年との比較などから、今年の傾向を分析した。(本文中の割合は小数第1位を四捨五入) (構成・村川悠)
進学希望先
科類別に進学希望先(学校推薦型選抜による入学者は内定進学先)を聞いたところ、科類ごとに希望者が多かった学部はそれぞれ文Iの法学部(90%)、文IIの経済学部(93%)、文IIIの文学部(50%)と教養学部(22%)、理Iの工学部(55%)と理学部(33%)、理IIの理学部(20%)、農学部(20%)と工学部(19%)、理IIIの医学部医学科(100%)となり、各科類の主となる進学先に希望が集中。絞れない、未定と答えた学生の科類ごとの割合は理II(17%)、文III(11%)の順で多かった。学部・学科選びで重要視するものを聞いたところ、「自分の興味」が95%と多く、「就職の強さ」が28%で続いた。
大学院進学
大学院への進学希望を聞いたところ、多くは未定と回答。修士・博士課程のいずれかへの進学を希望する割合は文系で21%、理系で69%となり、大学院への進学予定はないと回答した新入生は文系で29%、理系で3%だった。博士課程までの進学を希望する割合は全体で12%となり、ここ数年は低い傾向が続いている。
卒業後の進路
学部卒業後・大学院修了後に希望する進路は多い順に「民間企業」(50%)、「研究職」(30%)、「公務員」(20%)、「起業」(18%)となった。民間企業を希望する新入生の割合は増加傾向にある。
将来への不安
将来について不安なことを複数回答方式で尋ねると、「大学の人間関係」が60%で最多となり、「就職」(40%)、「後期課程への進学」(35%)が続いた。