東京大学新聞社は3月28日・29日、全新入生を対象にアンケートを実施し、新入生3125人の92.0%に当たる2875人から回答を得た。このアンケートは毎年入学の諸手続き時に実施する、
(構成・安保茂)
進学先
一般入試と外国学校卒業学生特別選考で入学した新入生に、出願時に後期課程の進学先が決まっていたか聞いたところ、「学部まで決まっていた」という回答が41%で最多だった。「学科・専修などまで決まっていた」は15%で前年とほぼ同水準。「全く決まっていなかった」と答えた人は前年比3ポイント減の39%だった。
進学希望先(推薦入試での入学者は内定している進学先)を尋ねると、文Ⅰの87%が法学部を、文Ⅱの86%が経済学部を希望すると答え、それぞれ前年より2ポイント、4ポイントの低下。文Ⅲでは文学部(41%)と教養学部(18%)など、理Ⅰでは工学部(57%)と理学部(25%)などに希望が分かれた。理Ⅱは昨年農学部が最多だったが、今年は農学部、薬学部、理学部の3学部がほぼ横並びになった。
学部・学科選びで重視するものについて、91%の新入生が「自分の興味」を選択し、前年より1ポイント増。「就職の強さ」が21%、「設備」「研究成果」「教員」が9%と続いた。
大学院
大学院進学について、修士・博士課程いずれかに進学したい新入生は49%。「博士課程まで進学したい」人は全体の20%で、昨年比2ポイント微増した。「修士課程まで進学したいが、博士課程に進学するかは分からない」が昨年比3ポイント減の24%、「修士課程まで進学したいが、博士課程には進学したくない」は昨年と同じ5%だった。「大学院に進学したくない」人は13%、「未定、分からない」人は37%いた。
科類ごとの大学院進学希望率は、理Ⅰの72%が最高で、理Ⅱの65%が続く。最低は文Ⅱで15%だった。
卒業後の進路
学部卒業後または大学院修了後の希望進路は「民間企業」が前年より8ポイント増の33%で最多。「研究職」(25%)、「公務員」(18%)と続き、「未定」と答えた人は28%に上った。
民間企業を希望する新入生の割合が最も高いのは文Ⅱで51%。研究職は理Ⅱの38%が最高で、理Ⅰの37%が続く。公務員は文Ⅰの51%が最高に。文Ⅰの公務員志望者割合が半数を切った前年から8ポイント増加し2年前とほぼ同水準に戻った。
「就活ルール」の存廃
大手企業の採用面接の解禁日などを定めた指針の存廃については、「残すべきだ」が19%、「廃止して良い」が17%だった。一方「興味がない」と答えた人は53%に上った。
将来への不安
将来不安に思うものを尋ねると、最も多く挙がったのは「就職」で41%。「収入」(25%)、「後期課程への進学」(25%)、「結婚」(24%)も比較的多かった。「不安はない」と答えた人は全体の16%で昨年から2ポイント増えた。
2019年5月10日13:30【表差し替え】記事内「希望する進学選択先」の表中で「健康総合科学科」の表記に誤りがあったため表を差し替えました。お詫びして訂正いたします。
2019年11日7日16:27【表差し替え】記事内「卒業後の進路」の小見出しで始まる段落で、表のタイトルを「卒業後の進路」とすべきところを「科類別の大学院進学希望」としてしまっていたため、表を差し替えました。お詫びして訂正いたします。
【新入生アンケート2019】
この記事は、2019年4月23日号からの転載です。紙面では新入生アンケートの全ての質問に対する回答結果の一覧も掲載しています。他にもオリジナルの記事を掲載しています。
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