将棋のプロ棋士養成機関「奨励会」に三段として所属する谷合廣紀さん(情報理工・博士1年=当時)は、7日まで実施された三段リーグ戦で2位となり、四段昇段(プロ入り)を決めた。東大生のプロ棋士は、2004年に四段昇段を決めた片上大輔現七段以来2人目となる。東大院生としては初。
谷合さんは26歳で、三段リーグに17期(8年半)在籍。今期の全18局で勝ち越せなかった場合、年齢制限で退会に追い込まれていた。序盤は4回戦を終えて1勝3敗だったが、5回戦から13連勝。16回戦を終えた時点で、最終日を待たずに四段昇段の権利を得た。
東京大学新聞社の取材に対し谷合さんは「やっと上がれたといううれしさと開放感がある」と喜びをあらわにした。さらに、東大将棋部の部員や研究室の教員に支えられ、研究と将棋を両立できたとも話した。
谷合さんは博士課程での研究も継続する予定。「大学院生という立場やプログラミングやAI(人工知能)の知識を生かし、将棋界へ自分にしかできない貢献をしたい」と意欲を見せた。
この記事は2020年3月24日号から転載したものです。本紙では他にもオリジナルの記事を掲載しています。
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