学業や課外活動で顕著な業績を挙げた東大生を表彰する「東京大学総長賞」の2016年度授与式が3月22日に開催され、総長大賞を2人、総長賞を9人と2団体が受賞した。47件の推薦から総長大賞に選ばれたのは福本塁さん(工学系・博士3年=受賞時、以下同様)と村田優樹さん(人文社会系・修士1年)。総長賞には、全国七大学総合体育大会を主管校として運営し優勝を遂げた運動会総務部などが選ばれた。
授与式では五神真総長が「本学学生の各領域でのハイレベルな活動は誇らしい。周囲に好影響を与えて輪を広げてほしい」と激励した。あいさつ後は、受賞者が自身の業績をプレゼンテーションで発表した。
福本さんは防災に関する体験談などを楽しく共有できる「防災トランプ」を開発。世代を超えて防災を楽しく考える場を作るとともに、地域の絆を結ぶ防災街づくり活動が評価された。授与式では「体験談や考えの共有を通じて人々とつながり、地域環境に応じた防災安全管理ができる人材を育成したい」と今後の展望を語った。
村田さんは第1次世界大戦前後のウクライナでのナショナリズムに関する卒業論文が「卒業論文の枠を超越した高水準の歴史研究」と評価された。授与式では新聞やパンフレットなどの一次資料収集を通じ、複雑な当時の状況を明らかにした研究過程を語った。
総長賞は学生の学業や社会活動を顕彰するため02年度に創立。社会活動や課外活動などの業績を表彰する部門、学業業績を表彰する部門の2部門から成る。
この記事は、2017年4月4日号からの転載です。本紙では、他にもオリジナルの記事を掲載しています。
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