最新ニュース

2025年4月8日

2024総長賞 大賞は薬学系の吉本愛梨さんとピアサポルーム

(写真1)授与式にて、藤井総長(右)と吉本愛梨さん(撮影・平井蒼冴)

 

 2024年度の東大総長賞に課外活動、社会活動等分野で東京大学ピアサポートルームら3件、学業分野で7件が選出され、授与式が3月19日に本郷キャンパスの小柴ホールで行われた。

 

 学術分野で総長大賞を受賞した吉本愛梨さん(薬学系・博士4年)は、意図的な心拍数制御を可能とする神経回路メカニズムを解明した研究が評価された。この研究は「Science」誌に掲載され、これまでに日本薬理学会100周年記念博士研究奨励賞や日本学術振興会育志賞などを受賞している。

 

 吉本さんの研究グループは、ネズミは、脳の感情や意思決定に関わる部位の特殊な神経活動により、心拍数が低下することを示した。心拍数の自己調節は、精神衛生や運動技術の向上につながるとされる。

 

 吉本さんはスピーチで「本発見が人でも応用可能であるかを検証中」と話した。さらに呼吸や消化などの生理活動の自己制御にも拡張できると推測され、今後の活躍が期待される。

 

(写真2)授与式でスピーチする吉本さん(撮影・平井蒼冴)

 

 課外活動、社会活動等分野では、東京大学ピアサポートルームが総長大賞を受賞。全学に支援を届けることを目標にする東大の公式組織で、他の支援機関と異なり、研修を受けた学生が相談相手を担うのが特徴。「支え合いのキャンパス」をスローガンに活動し、これまでに1万人以上の相談を受けた。

 

箱根駅伝出場の秋吉・古川選手なども受賞

 2024年度の受賞者と受賞理由は以下の通り。

 

【課外活動、社会活動等分野】
▽(大賞)東京大学ピアサポートルーム ──「『支え合いのキャンパス』をめざした取り組み」
▽志賀智寛さん (農学生命化学・修士2年)──FS能登町支援チームの活動を継承した「能登半島地震における能登町での現地支援活動および復興人材育成」
▽秋吉拓真さん(工・3年)・古川大晃さん(総合文化・博士4年)──「箱根駅伝で41年ぶり東大タスキリレー」

 

【学業分野】
▽(大賞)吉本愛梨さん(薬学系・博士4年)──「意図的な心拍数制御を可能とする神経回路メカニズムの解明」
▽浅野皓生 さん(法・4年)──「学業成績優秀・学修成果の社会発信」
▽大野歩実さん(理・4年)──「サイバーセキュリティ分野における国際的活動と楕円曲線上点加算の高速計算方式の研究」
▽主藤裕太郎さん(理学系・修士2)──「Prime editorによるpegRNA依存性逆転写の構造基盤」
▽小玉智恵さん(新領域創成科学・修士2年)──「ヒト培養細胞の貪食能向上法の開発による細胞内共生メカニズムの解明」
▽常潚琳さん(22年法学政治学研究科博士課程修了、博士(法学))──「『道理』と『風俗』─水戸学と文明論の十九世紀」
▽榊原雅也さん(理学系・博士3年)─「ナノサイズ効果を利用した相転移現象の原子スケール機構研究」

 

(写真3)藤井総長(下段中央左)、藤垣理事・副学長(下段中央右)と受賞者の皆さん(撮影・平井蒼冴)

 

関連する東大新聞の過去記事

 

▽東京大学ピアサポートルーム

苦しい時は支援センターへ  学生の「支え合い」最前線

▽志賀智寛さん

東大発サークルがクラフトビールを開発!? 「人をつなぐ」その魅力に迫る

▽秋吉拓真さん・古川大晃さん

【箱根駅伝】東大から2人出場 箱根駅伝プレイバック

▽浅野皓生さん

【東大新聞×KADOKAWA】東大生ミステリ小説コンテスト・大賞受賞者インタビュー!

 

タグから記事を検索


東京大学新聞社からのお知らせ


recruit
koushi-thumb-300xauto-242

   
           
                             
TOPに戻る