東大は4日、学業、課外活動、社会活動などにおいて特に顕著な業績を挙げた学生を表彰する「東京大学総長賞」の2020年度の受賞者として13件を発表した。業績が特に顕著だと認められた者に授与される総長大賞は、「課外活動、社会活動等」分野で保健所コロナ禍対策支援有志チーム21名と所壮琉さん(理Ⅱ・2年)、中川雅人さん(工・3年)、西澤優人さん(工・3年)が、「学業」分野で坂田莉奈さん(養・20年度秋季卒業)が受賞した(表)。
「課外活動、社会活動等」分野では、18件の推薦の中から、6件が受賞した。大賞に選ばれた保健所コロナ禍対策支援有志チームは、新型コロナウイルスの感染が拡大する中、保健所へ派遣された。電話応対や行政文書の作成、陽性患者の健康状態についてのフォローアップ調査や患者情報のデータベース入力などを行った。
所さん、中川さん、西澤さんが制作・公開した「バーチャル東大」は、新型コロナウイルス感染拡大防止のためキャンパスに入構できない高校生に向けて、オンラインでのオープンキャンパスに合わせて、本郷キャンパスを代表する建物をVR化したものだ。一部のエリアを除いて、オープンキャンパス期間外でも「高校生のための東京大学オープンキャンパス」のウェブサイトからアクセスできる。
「学業」分野では、27件の推薦の中から、7件が受賞した。大賞を受賞した坂田さんは、これまで同時に行うことのできなかった、ターゲットとなるDNA配列のCからTおよびAからGへの異種塩基置換を同時に達成できるゲノム編集ツールの開発に貢献した。ゲノム編集の自由度を高め、生物学・医学分野の研究に幅広く応用されることが期待されている。