東大大学院情報理工学系研究科は「ポスト・コロナの新たな情報化社会へ向けての提言」を25日に公表した。情報理工学系研究科は7月4日に研究者8人でこの提言に関するシンポジウムを開催。今後も産業界や官公庁、学生などを交えて議論を重ね、第2次提言を取りまとめるとしている。
情報理工学系研究科は提言の骨子として10本の柱を挙げた。その中でも、①「もとのシステムに戻さない!」ではコロナ禍の収束に伴い、コロナ禍を機に進展したデジタル化・オンライン化が後退してしまうことへの懸念を表明。②「新しいKPI(重要業績評価指標)の導入」では、これまで重視された短期利益よりも相互利益や柔軟性などを重視することの重要性を強調している。④「人材育成:新しい社会を先導する人材の育成」ではさまざまな世代における情報教育の実施が提言されている。
提言を取りまとめた研究者らによると、コロナ禍はオンラインでの活動を支援する技術の改良と進歩を加速させた。一方で、コロナ禍によってこれまでの社会が抱えていた情報インフラの脆弱性(ぜいじゃくせい)、個人情報保護、物理的な面談を前提としたビジネス慣習などの問題も明らかになったという。提言では、社会は新型コロナウイルスと共生しつつあるが、コロナ禍後の社会においてコロナ禍を機に実現した新しい活動形態を維持・進化させていくことが必要だとされている。
この記事は2020年6月30日号から転載したものです。本紙では他にもオリジナルの記事を掲載しています。
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