Facebookページ「堀江貴文ミリオンセラープロジェクト」より
「ホリエモン」こと堀江貴文さん。東大を中退し、起業した後の経歴については、知らない方はいないと言っても過言ではないでしょう。
そんな堀江さん、実は最近、何度か東大に足を運んでいるとのこと。2014年、堀江さんは何を考え、大学に何を期待しているのか。
去る2月2日、近著『ゼロ —-なにもない自分に小さなイチを足していく—-』の仙台講演ツアーに潜入し、堀江さんの考えに迫りました。
1回目となる今回は、堀江さんが着目する東大の技術について、話をまとめます。
「すごい技術を持った研究室が、大学には眠っている」
「枯れてしまった技術を実用化したいなら、起業するしかない」
「これからは、大学発のベンチャーを支援したい」
近年、東大の内部でも、ベンチャー起業が盛んになっています。そうした背景からこうした言葉を耳にすることが、特に理系の方は多くなってきたのではないでしょうか。しかし、今ひとつ実感がわかない方もいるかもしれません。
しかし、上の言葉が、あのホリエモンこと堀江貴文さんから出た言葉だとすれば、また別の意味を感じるのではないでしょうか。
堀江さんは、近著『ゼロ』にも書いた通り、ずっと「世の中が進歩した未来が見たい」と思って、今日まで仕事をしてきたといいます。
「世の中を進歩させる物、それは政治などではなくテクノロジーに他ならないと思います。僕がロケット開発を行っているのも、そこに未来があると思うからです」
そうした最先端の技術を発掘するため、実は最近たまに東大に来ているとのこと。1月末にオープンしたHORIEMON.COMというサイトの中で、堀江さんがインタビュアーとなる企画を行っているそうです。
まず、インタビューしたのは落合陽一さん。現在、東京大学大学院学際情報学府博士課程(暦本研究室)に在学していて、研究者であり、メディアアーティストであり、実業家です。
「落合さんって、ご存知ない方もいるかもしれませんが、要は魔法使いなんです(笑)。ボールを浮かせたり、空中に映像を浮かび上がらせたりすることを、本気で考え、研究している。実際、IPA認定スーパークリエータを受けたり、国内外で賞を取ったりと、非常に優秀な方です。でも、そんな優秀な彼であっても、お金に関しては困っているという。これって、やはり、どこかおかしいと思う。優秀な研究者に、お金が流れる仕組みがうまく作れていない」
堀江さんは、落合さんのユニークな研究内容を紹介しつつ、研究資金の問題を語ります。
その問題意識を引き継ぎながら、次に話題はロボット研究へ移ります。
「昨年、Googleが買収したロボット関連のベンチャーの中で、唯一の日本企業がSCHAFTです。同社は、東京大学大学院情報理工学研究科・情報システム工学研究室で助教の中西雄飛さんと浦田順一さん、そしてビジネスの場から加藤崇さんという方たちが集まって創業した会社です。彼らが開発したロボットは、災害現場での救助活動に活用できるほど、精度が高い。しかし、東大の助教の彼らは資金面の問題から、助教を辞めて起業をせざるをえなかった」
確かに、東大でもロボット研究は盛んです。しかし、資金面はそれほどまでに難しい状況なのでしょうか。
「ロボットに限らないと思いますが、研究って、基本的に最先端のことしかできない。大学だったり、国のお金だったりは、一番のものに使われることが常だからです。だから、最先端じゃない技術、開発に時間がかかる技術、枯れてしまった技術を実用化するには、起業するかしかないと思います。」
SCHAFTのトップページより http://schaft-inc.jp/
資金面の悩みは起業で解決すべし、というのが、現時点での結論だと言います。それを裏付けるかのように、「大学発のベンチャーを支援したい」と、講演中、何度も口にしていました。
「『ゼロ』は、そういう素晴らしい技術が世の中にあること、それを知って、新しい世界を体験することの素晴らしさを伝えたかった」
どこまでも、技術への期待をよせる堀江さん。東大理系学生のみなさん、あなたの研究室に、「ホリエモン」が来る日も近いかもしれません。
堀江・貴文(ほりえ・たかふみ)
1972年福岡県八女市生まれ。実業家。元・株式会社ライブドア代表取締役CEO。民間でのロケット開発を行うSNS株式会社ファウンダー。東京大学在学中の1996年、23歳のときに有限会社オン・ザ・エッヂ(後のライブドア)を起業。2000年、東証マザーズ上場。2004年から05年にかけて、近鉄バファローズやニッポン放送の買収、衆議院総選挙への立候補などといった世間を賑わせる行動で一気に時代の寵児となる。しかし2006年1月、証券取引法違反で東京地検特捜部に逮捕され懲役2年6カ月の実刑判決を下される。2013年11月に刑期を終了。出所後、ふたたび自由の身となって「ゼロ」からの新たなスタートを切ったばかり。自らの生き様と思想のすべてを一冊の本に凝縮した近著『ゼロ —-なにもない自分に小さなイチを足していく—-』は、30万部を超す大ヒット中。