学生生活をどう過ごすべきか。
多くの人がそんな悩みを持っているでしょう。
勉強に打ち込むのもいい。でもそれだけじゃ物足りない。
部活? サークル? 恋人?
メディアで恋愛コラムを執筆する「はあちゅう」こと伊藤春香さんに聞きました。
―― 東京大学新聞は創刊してからもう90年以上経ちます。東大の学生が編集する新聞で、ほぼ週刊で発行しています。このたび、オンライン版をオープンすることになり、はあちゅうこと伊藤春香さんに、学生生活の過ごし方や進路の考え方についてお伺いすることになりました。
伊藤 東大生といえば、こんな思い出があります。私が慶應大学の1年生だったころ、ある東大院卒の方と食事をすることになったんです。場所は京都で、しかも私の誕生日が近かったので、「お店を予約しておいたよ」っていわれて、「お祝いしてくれるのかな」って期待したんですね。
―― 京都で食事となれば、やはり素敵なレストランでは?
伊藤 ところが、行ってみたら、某ファミレスだったんです! ええっファミレスって予約できるんだ、というのがまず驚きで。
―― ええっ。予約できるんですね……。
伊藤 パスタとかサラダを頼んで、合計1000円もいかない。それなのに、1円単位でワリカンだったんですよ!
―― ええっ!
伊藤 向こうは院卒でもう働いていて、私はまだ10代だったのに……。その後、その人からメールが来て、自分が関わっているイベントの告知を、私のブログに載せてほしい、とお願いされました……。載せましたけど。
―― なんと……。それは散々なデートでしたね。デートと呼んでいいのかどうか。
伊藤 私の人生の中で、何人か伝説(レジェンド)を残していった人たちがいますが、そのうちの1人ですね。
―― 東大生の男子といえば、そんな風にデートが下手というかエスコートが苦手な「完全ワリカン男子」ばかりでしょうか?
伊藤 そうでもないと思いますよ。二極化しています。完全ワリカン男子がいる一方で、すごく面白くて、デートしてて楽しくて、仕事もめちゃくちゃできる人もいます。見分けるのは簡単で、LINEをすればわかります。
―― LINEですか!
伊藤 LINEを5往復すれば、だいたい相手のコミュニケーション・スキルがわかってきます。女子は、「こう返してほしいな」っていう期待があってメッセージを送っているのに、それをことごとく裏切る、みたいな。わざとじゃなくて、素でハズしている。そういうのが、完全ワリカン男子ですね。
―― ど、どうしたら、東大の男子はデートが上手にできるようになるでしょうか……?
伊藤 デートについても「努力」をすればいいんだと思います。勉強や研究や仕事についてがんばるのと同じです。例えば、私だったら、食事するお店は男の人に決めてほしい。何を食べたいのかぐらいは、聞かれたら伝えますけど……。それなのに、いつまで経ってもお店を決めてくれなくて、私のほうからお店を提案する、なんていうことが、何回も続いたんですよ。以前、付き合っていた東大卒の人は……。もっと「学習」してほしいです!
―― そ、そうですよね……。一方で、東大女子はどうでしょうか? 東大は一学年に占める女子の割合が2割を切っているんですよ。
伊藤 そうなんですか! じゃあ、女子はモテモテですね。
―― でも、学内にいるのは完全ワリカン男子だったりして……。一方で、学外では、「東大女子は敬遠されるんじゃないか」って心配になるんです。実際、他大の男子からは声がかけられないんじゃないか、それは自分の「市場価値」が低いからだ、っていうコンプレックスを持っている人も多い。
伊藤 私の知り合いの東大生や東大卒の女子もそうでしたね。「東大卒、マッキンゼー」の女なんて、デートに誘ってもらえない!って嘆いていました。でも、市場価値が低いことなんてないし、コンプレックスを持つ必要もないですよ。
―― 悩める東大女子にアドバイスをお願いします!
伊藤 目の前の恋愛を楽しめばいいと思います。東大女子の方はきっと努力家が多いので、つい、恋愛についても努力しちゃうんだと思います。それで、ダメ男と付き合っちゃう。ダメ男は、自分ががんばれば関係が良くなるので、努力家が陥りがち。でも、相手に努力してもらうことも大切。「がんばって努力して幸せにならなければ!」っていう思い込みを捨てると楽になる気がします。
―― 東大女子は、同じ東大のワリカン男子は避けるべきですか?
伊藤 そんなことないですよ。ワリカン男子だって、何年か経験を積めば、素敵な男性になるかもしれない。結婚相手としては、東大卒同士というのは理想的かもしれません。育った家庭環境が似ていることはプラスになるはず。だから、ワリカン男子とも仲良くしておきましょう。あと、5月に私の恋愛コラムをまとめた書籍が出る予定なので、是非そちらも読んで頂ければ嬉しいです。
(つづく)
伊藤春香(はあちゅう)
慶應義塾大学法学部政治学科卒。在学中にブログを使って、「クリスマスまでに彼氏をつくる」「世界一周をタダでする」などのプロジェク トを行い、女子大生カリスマブロガーと呼ばれる傍ら、レストラン、手帳、イベントをプロデュースするなど、「はあちゅう」名で幅広く活動。
2009 年電通入社後、中部支社勤務を経て、クリエーティブ局コピーライターに。
2011年12月に転職し、トレンダーズでドクターエステ・コスメ専門サイト「キレナビ」の編集長に。現在は動画サービス「ウーメディアチャンネル」のパートナー・マネージャーを務める。会社員として働く傍ら、個人としてウェブサービスの運営や講演・執筆活動を続けている。催眠術師資格保有。
※出演・執筆依頼は、Twitter、Facebook等から本人に直接どうぞ。
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