日本テレビの朝の情報番組『ZIP!』の総合司会を務める桝太一アナウンサーといえば、
東大出身で、「好きな男性アナウンサーランキング」連続1位……とまぶしすぎる存在ですが、
インタビューを通して「普通の東大生」としての一面も見られました。
――学生時代を振り返りって、やっておいてよかったことはありますか?
桝 「海」に関することを、大学院も含めて6年間やり切ったことはかけがえのない経験です。駒場で単位に算入されない、ある意味ムダになってしまう授業でも関係なく、海に関するものは全てとっていたし、休みの日は暇さえあれば海へ行きました。
海を中心に生活が回っていました。海に関しては一通り語れるようになったので、やり切ったことには自信があります。今の学生さんも、大学に入ったらひとつのことを貫いてみるといいと思います。4~5年やるとモノになると思いますね。
――この4月もまた新たに1年生が入学します。桝さんは第2外国語は何を選びましたか?
桝 変に真面目に考えてしまったんですよ。「医学的な用語はドイツ語が多いらしい。今後人口が増えるから中国語も重要か?」とか。それで、ドイツ語に決めました。今思うと、どうせ第2外国語はあまり使わないので、かわいい子が多いらしいスペイン、フランス語にしていても良かったかもしれないですね(笑)。
――サークル選びはどのような感じでしたか?
桝 中高6年間と男子校で生物部で、部長もやっていて、ご想像通りむさくるしかったです。それで、華やかな女子がいるサークルを探しました。生物研究会にも入ってみたんですが、当然のことのように、こちらは高校時代と変わらなかったですね……(笑)。
そこで、海で生物を見られて、陸にあがれば女子もいるということで、新歓の時に可愛い先輩がいたスキューバダイビングのサークルに入りました。テニスサークルもいいなと思いましたが、テニスは苦手だったので。横目で「スポ愛いいな~」と羨ましく思っていたのが懐かしいです(笑)。
――学生生活はどのようなものだったのですか?
桝 ゲームがめちゃくちゃ好きでした。朝までゲームをすることもよく(笑)。特にサッカーゲームのウイニングイレブンは、選手の能力を全て覚えるほどやり込みました。結果的にアナウンサーになってからサッカー実況をやったんですけど、もしかしたらそのゲームの実況のクセがうつっているかもしれません。まずいなぁ(笑)。
――ゲームでもなんでも、とにかく極めていたのですね!
桝 はい、やりきるって重要です。ゲームでもなんでも、どうせやるなら「とことんやり尽くす」ことに決めています。いつ役に立つかわからない!
――農学部に進んで、卒論はアサリについて。これはマイナーなテーマですか?
桝 いや、実はアサリはそんなにマイナーではないんです。学科ではむしろメジャーな方で「一般受けねらいやがって(笑)」と言われたくらいです。むしろ社会人になってから、世の中にはアサリに雄雌があることを知らない人がいるんだ、とびっくりしました。「マニアックな研究をした」という意識はないですね。
――卒業後、東大を訪れたことはありますか?
桝 忘れたい過去なのですが……(笑)。『ズームイン!!サタデー』という番組をやっていた時に、東大生にインタビューするロケがありました。母校に帰るわけですから、かっこいいところを見せられたらと思っていたのに……企画で、「白いタンクトップに短パンにサンダルに、アサリの殻の被り物をかぶる」格好をしたんです。これは流石にダメージを受けましたね……(笑)。
――(笑)。だけどきっと、その時インタビューを受けた学生は、今頃、桝アナウンサーが『ZIP!』の顔になったので驚いているでしょうね。
桝 いやぁ「アサリのおじさん」くらいにしか覚えてないと思いますよ(笑)。ただ、このロケで、「恥」に対する耐性はつきました。一度、プライドを崩すことも大切だと感じました。プライドを崩すことで見えてくることもあるんですね。
――「プライドを崩すプライド」、これは深い言葉ですね。
桝太一(ます・たいち)
アナウンサー。1981年生まれ。千葉県出身。麻布中学校・高等学校を経て東京大学理科二類入学。農学部水圏環境専修卒業。東京大学大学院農学生命科学研究科修了後、2006年に日本テレビ放送網に入社。2011年、関根麻里とともに『ZIP!』の総合司会に選ばれる。スキューバダイビングライセンス、潜水士の資格を持つ。
【枡アナウンサーインタビュー】
「学生時代にひとつのことをやり切ってほしい」桝アナウンサーインタビュー1