2015年1月31日(土)、世界中でベストセラーとなった『21世紀の資本』の著者トマ・ピケティ氏が、東京大学伊藤謝恩ホールで講義を行った。東京大学の学生200人を含む約500人の前で『21世紀の資本』を解説した。
講義冒頭、ピケティ氏は来日にあたって「学生の前で講義をし、『21世紀の資本』について議論したかった」と述べた。
講義では同書で語られた所得と富の分配をめぐる議論を、特に日米欧の3地域に焦点を当てて解説し、富の格差は世界的に拡大していると主張した。ピケティ氏は「富の格差と課税の問題は、歴史的遺産の一部であり、冷静に議論すべき」と指摘した上で、「累進課税が文明的な解決策ではないか」と結論づけた。
講義終了後には、質疑応答の時間も設けられた。「どういった累進課税の方法が望ましいか」という質問に対しピケティ氏は、「所得税・相続税・財産税の3つに対して、バランスを持って課税することが重要だ」と述べた。
(文・荒川拓)