2019年9月14日

【東大新聞オンラインPICK UP】~芸術編~ 芸術を味わう新たな視点を

 秋の楽しみ方はさまざまだ。運動のように外でアクティブに動くのもよし、読書のように家でゆったりと過ごすのもよし。その中で、活発さと安らぎ、その両方を兼ね備えるものこそ「芸術」・「アート」ではないだろうか。今回はテーマに過去に東大新聞オンラインで公開した記事の中から「芸術」をテーマにしたものを選び、お薦めの記事として紹介する。ぜひ気になる記事は本文を読んでみてほしい。

 

 まずは音楽だ。記事「数学科卒、JAZZピアニストの音楽論」では、理学部数学科を卒業した後数学者、ジャズピアニストなどとして活躍する中島さち子さんにインタビュー。幼少期から音楽に親しんだ中島さん。中学で数学の「神秘性」に興味を抱き、高校時代には国際数学オリンピックに出場した。東大進学後は「即興演奏や人生や色々なものが絡み合う」ジャズにのめり込み、卒業後も独自でトリオを組むなど精力的に活動。当時所属していた別のバンドの海外ツアーでは日本と欧米の求められる音楽像の違いに気付いた。「数学者とミュージシャンは似ている」と語る中島さんが考える音楽の魅力をひもとく。

 

 続いては絵本。絵本と聞いて「読書と何が違うのか」と思う人もいるだろう。しかし記事「絵本と芸術の関係とは 世界初の絵本美術館を作った松本猛さんが語る絵本の魅力」では、絵本の「芸術」としての側面に焦点を当てる。絵本を自身の卒業論文の研究対象とした松本さんによると、神話美術のように元来人間は物語と絵の融合を楽しんできた。しかし教育と結び付けられてから、美術ではなく、児童文学として見なされるようになってしまったという。「絵と文章で構成されるもの」としての絵本の歴史をたどりながら、単なる子ども向けのジャンルという認識を越えた絵本の魅力とを再考する。 

 

 日本の伝統「芸能」も見逃せない。記事「秋田の民俗芸能・根子番楽 伝統の意味は『根源』ではなく『経過』」では、秋田県の集落に伝わる根子番楽を通じて伝統の本質を探る。規模の小さな芸能故に存続が課題の根子番楽。その困難の中でも人々の間で確かに受け継がれるのは何故か、「伝統」という言葉の意味と共に探る。歌舞伎や能など、日本の伝統芸能を鑑賞するための新たな角度を提供してくれるだろう。

 

 デジタル技術を駆使した現代的なアートはいかがだろうか。記事「猪子寿之さんが語る、チームラボのアートが目指すもの」では、新進気鋭のアート集団「チームラボ」の代表、猪子寿之さんが考える芸術観に迫る。他の芸術のように作品と鑑賞者の間に明確な「境界」を生むのではなく、作品と鑑賞者が一体となるような幻想的な空間を作り出すチームラボ。まさに全身を使って味わうことのできる、アクティブかつ新感覚の芸術といえるだろう。猪子さんの言葉から、その美の根源に迫る。

 

 「東大新聞オンラインPICK UP」は東大新聞オンラインに掲載された過去の記事から、特定のテーマに沿ったお薦めの記事を紹介するコーナーです。

 

【東大新聞オンラインPICK UP】

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【東大新聞オンラインPICK UP】〜留学編〜 心機一転のチャレンジを

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