東大大学院理学系研究科物理学専攻は5月21日、大手化学メーカーのJSRと包括連携に合意し本年度より共同研究を開始したことを発表した。連携により、物理と化学を融合させた研究の発展を目指す。連携には物理学専攻の博士課程学生への給付型研究奨学金も含まれており、これは前身組織を含めると130年以上続く物理学専攻の歴史上初めての試みとなる。
包括連携を通して、物理学専攻は社会に浸透した材料の研究を進め、JSRは新たな高機能材料を社会に導出することを目指す。具体的な取り組みの内容としては、給付型研究奨学金創設の他に、物理と化学を融合させた共同研究拠点「CURIE」を設置する。産学連携による新技術・新材料の創出や、多様な現象の探究、物理的視点に立った学理追求にも取り組む。
常行真司物理学専攻長は連携を「分野、考え方、目的、手法などが大きく異なる組織間での、異文化・異分野連携の象徴的な活動」と評価。その上で「従来型の連続的な成果ではなく、全く予想もしていなかったような飛躍的な成果、さらには新しい分野の創出をも可能にしてくれると確信しています」とコメントした。
この記事は2020年6月2日号から転載したものです。本紙では他にもオリジナルの記事を掲載しています。
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はじめての論文:入江直樹准教授(東京大学大学院理学系研究科生物科学専攻)
キャンパスのひと:早川健太さん(理Ⅰ・2年)
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