川原圭博准教授(情報理工学系研究科)らは、印刷技術を用いて薄く柔軟なモーターを開発した。胴体が柔軟で安全性が高い、ソフトロボットへの応用が期待される。
従来ロボットの関節の駆動源は硬く重い電気モーターが主流だった。代替案である柔軟な空気圧式モーターは別途空気ポンプなどを要するため、ソフトロボットの小型化と軽量化に課題があった。
今回開発されたモーターは、小袋の中の低温で沸騰する液体をヒーターで加熱し、気化膨張させることで駆動する。ヒーターを導電性インクで印刷した点が新しく、配線なども同時に印刷可能。袋はコンピューター制御によるフィルムの熱融着で自由な形状に生成できる。実験ではわずか3グラムのモーターで小指を曲げる力に相当する回転力が得られた。
モーターは、A4サイズ程度であれば作製に数十分しか要さず製作装置も安価なため、家庭や教育現場での活用も期待される。川原准教授らは今後、動作速度や出力の向上に取り組む。
この記事は、2017年6月13日号に掲載した記事を再編集したものです。本紙では、他にもオリジナルの記事を掲載しています。
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