パックンが駒場キャンパスにやってきた!
新刊『ツカむ!話術』(角川書店)の発売を記念し、著者パトリック・ハーランさん(通称パックン)のサイン会が、5月13日(火)駒場キャンパス生協書籍部にて行われた。
突然のパックン登場に、東大生は・・・
雨の日の駒場キャンパスに、パックンが颯爽と登場した。新刊『ツカむ!話術』発売記念のサイン会のためにやって来たパックンは、背が高く上品で、いかにも名門大学出身のエリートといった雰囲気がある。米ハーバード大出身でありながら日本で芸人・コメンテーターとして活躍するという異色の経歴を持つ彼の新刊は、「コミュ障」に悩む人のためのコミュニケーションレッスン本だ。
駒場書籍部には、『ツカむ!話術』特別販売テーブルが設けられ、本が置かれた。この本のサイン会を行うのは、東京大学が初めてだという。
早速「東大生のみなさんへ」と書かれたサイン入りポップを作成し、書籍部入口で待機開始。書籍部に来る人々に「こんにちは!」「パックンです!」と、よく通る声で挨拶の言葉をかける。
いきなりキャンパスに現れたパックンに、「え、本物ですか?」と恐る恐る尋ねる学生や、びっくりして後ずさりする学生、さらに小走りで逃げてしまう学生も。
しかし、笑顔で気さくに話しかけてくれるパックンに、最初は緊張しながらも徐々に打ち解け、サインだけでなくツーショットでの写真も頼む学生が多数いた。買った本にサインをもらった学生は30数名。駒場書籍部の辻谷店長も、しっかりサインをもらっていた。
サインをもらった学生たちは、「サインをもらえて嬉しい」「パックン本人がいたので、ついつい本を買ってしまった」と感想を述べた。
『ツカむ!話術』(角川書店)は、東京工業大学で大好評だった講義を書籍化したものだ。アリストテレスの修辞学をベースに、レーガン大統領や池上彰さんといったトークの達人から学んだ話術やパックンの体験などを基に書かれた本書は、「コミュ障」から抜け出し、人とスムーズにコミュニケーションをとりたい学生にはもってこいの一冊。「プレゼンでも、合コンでも使えます!学生生活で100%役に立つ本ですよ」と、パックン本人のお墨付きだ。
人を説得するには、エトス(人格など、人格的なものに働きかける説得要素)、パトス(情熱、愛国心、悲しみなど、感情に働きかける説得要素)、ロゴス(理論や言葉の力を活かす、頭脳に働きかける説得要素)の3つが必要だという。パックンによれば、この三要素を熟知して効果的に使えるようになれば、「最強のコミュニケーション力を身につけたも同然」だという。三要素を身につける方法は、本書を読んで学んでみてほしい。
自書にサインをしながら、「お名前は?」「何を勉強しているんですか?」と、学生に積極的に質問をするパックン。
「倫理の授業で、ちょうどロゴスについて学んだところなんです」という男子学生には、「おお、そうなんだ!先生はロゴスについて何て言っていた?」とさらに質問。「ロゴスは理性だと・・・」との答えには「そうそう!ロゴスは理性なんだけど、それだけじゃなくてね・・・」と会話を弾ませる。最後には「倫理の先生にも僕の本を読ませてみてよ!」と宣伝も。
さすが、コミュニケーションのプロだ。
最後に、パックンに少しだけインタビューさせてもらった。
――そういえば、相方のマックンは?
パックン「マックンはこの本読んでくれたのかなぁ……。マックンから、コミュニケーションについては色々と教わりました。この本でも彼から学んだこと、例えば日本の笑いとか、芸人が使うコミュニケーション術とか、にも触れてありますよ!」
――東大生の印象はどうでした?
パックン「思ったよりも、素直で明るいな、という印象がありました。入店して目の前に僕がいて、『僕の新刊ですよ!』と宣伝すると素直に買ってくれる人が多かったし、皆、目を見て話してくれましたね。世間の人たちは、東大生っていうとヒョロヒョロとか、ガリ勉なんてイメージを持つと思うけれど、僕が今日話した学生さんたちは皆明るかったですね!来てくれた人、ありがとう」
サイン会が開催されたのは10時半からから11時すぎまでの約30分という短い時間ではあったが、書籍部に積んであった本は約1分に1冊という驚異のスピードで売れていった。
恐るべし、パックンパワー。
終了間際には走ってサインを求めに来た学生もおり、パックンの人気度の高さが改めて窺われた。