東大と東日本電信電話(NTT東日本)は4月17日、地域循環型社会実現に向けた産学協創協定を締結した。自律・分散型地域を支える社会起業家や次世代デジタルネットワークの創出を進める。
両者は効率性を重視した都市への一極集中型社会の維持が限界にあるとの問題意識を共有。自立型社会に必要な地域社会の変革を志す人材の育成や分散型社会の基盤となる社会インフラ整備を目標とする。人材育成ではNTT東日本の行う地域活性化と東大の教育を組み合わせ、学生が地域の人々との対話の中で地域の課題解決に取り組むワークショップなどが計画される。NTT東日本の澁谷(しぶたに)直樹社長は、学生が困難に「もまれる経験」を通して社会を変える難しさを実感し、その中でも実践を続けることの重要性を語った。通信分野では、東大のキャンパス間で実験設備の遠隔利用実証が予定。全国拡大への足掛かりとなる。
東大の藤井輝夫総長は中長期的な協定継続を見据え、最初の3年間で人的交流と学生の教育活動の制度設計など基盤作りを進めるとした。