これまで各界に多くの著名な卒業生を排出してきた日本最古の国際学生交流プログラム、日米学生会議(Japan-America Student Conference、JASC)。来年度に控える第76回会議に向け、現在参加者募集を行っております。国際交流に興味がある方、日常にモヤッとした感情を抱いている方、議論が好きな方、どんな方でもお待ちしております。この記事を通して少しでも興味を持っていただけたら幸いです。(寄稿=第76回日米学生会議実行委員会)
JASCは満州事変後の1934年、日米関係の悪化を憂慮(ゆうりょ)した4人の学生によって設立されて以来、何度か中断を余儀なくされながらも今日までその歴史を紡いで参りました。2024年で76回目、90周年を迎えます。開催地はロサンゼルス、ニューオリンズ、ワシントンの3都市を予定しております。
会議の軸となるのが、七つの「分科会」です。日本側、アメリカ側それぞれ4人の参加者と1人の実行委員が8月の本会議まで週に1回程度自主的なミーティングを行い、本会議での議論に向けた準備を重ねます。毎年設定される定番のテーマもあれば、その年の実行委員会の学生の個性が出たものまで分科会の内容は様々です。第76回では、以下の7つの分科会を設けております。(詳しくは公式ウェブサイト参照:https://jasciec.jp/76th/roundtables/)
①第三極として成長著しい東南アジアから日米関係を考察する「東アジアにおける日米関係分科会」
②起業による社会変革を検討する「社会起業家分科会」
③環境問題の検討を通し、資本主義的な政治・経済の見方を養うことを目指す「環境経済とエネルギー安全保障分科会」
④多様な環境、経験から表現を捉え直す「表現と規制分科会」
⑤様々な角度から「福祉」とその背景にある「倫理」的枠組みを掘り下げる「福祉と倫理分科会」
⑥デジタル化とそれがもたらした文化、芸術への影響を検討する「技術革新に伴う文化、芸術の変容」分科会
⑦社会運動を心理的側面から分析する「社会運動と人間心理」
分科会テーマはあくまで入り口に過ぎません。設定されたテーマの下で、具体的にどのようなトピックについて話すのかは基本的に参加者の自主性に委ねられています。
分科会の定期ミーティングと並行して、事前活動も行われます。例年一泊二日で防衛大学校を訪問する安全保障研修は、日本の国防についてその最先端で学ぶ学生との対話、防大教授の講義を通して、日米関係について考える上で避けては通れない「安全保障」について理解を深めることができます。その他、主に分科会ごとに研究所や政府機関などの施設に訪問を行うフィールドトリップ、同期の参加者や卒業生と初めて顔を合わせる春合宿、ソフトパワー政策の功罪を探る韓国への自主研修など多様なプログラムが予定されています。
満州事変後に急激に悪化した日米関係への当時の学生の危機感から始まった日米学生会議。当時から変わらない役割がある一方で、今この時代においても、大学の学部という視野狭窄(しやきょうさく)になりがちなコンフォートゾーンからの脱却を通して、本音の対話を行えるという大きな価値を持っています。
東アジア情勢も刻一刻と変化する中で、日米の学生で平和について考えるという場を実行委員一同未来の参加者の皆様とともに守っていきたいと思っています。
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選考は、第一次・第二次に分かれ、うち第一次選考の課題は小論文です。応募者は1月19日23時59分までに、プレエントリー後に案内される本エントリーフォームへの必要事項・小論文課題回答の記入と選考料(一次、二次合計)5000円の振込を行う必要があります。詳細はこちらから。
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第76回日米学生会議
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【記事修正】2024年1月15日午後2時11分 リード文の「来年」を「来年度」に修正しました。
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