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2015年1月19日

ロウ・イエ監督『二重生活』特別試写会、本郷キャンパスにて開催

今週1月23日(金)、本郷キャンパスにて、中国の映画作家ロウ・イエ監督による「予測不能な特別講義!!」が開かれる。
「特別講義」では、ロウ・イエ監督作品『二重生活』(1月24日より日本公開)の特別試写会の後、ロウ・イエ監督、作家の樋口毅宏さん、東京大学の刈間文俊教授によるシンポジウムが行われる予定だ。

 

中国で映画製作禁止処分を受けたロウ・イエ監督

ロウ・イエ監督は、1965年上海生まれ。彼が監督した日・独・中合同作品『ふたりの人魚』(00)は中国国内で上映を禁止されながらもロッテルダム映画祭、TOKYO FILMeX2000でグランプリを獲得し、その後、監督・脚本を務めた『天安門、恋人たち』(06)は2006年カンヌ国際映画祭で上映された結果、中国で5年間の映画製作・上映禁止処分を受けている。

その禁止処分の最中に、中国では未だタブー視されている同性愛を描いた『スプリング・フィーバー』を発表し、第62回カンヌ国際映画祭で脚本賞を受賞した。本国での弾圧に関わらず精力的に作品を発表し続けるロウ・イエ監督の制作姿勢とその才能は世界中で評価されている。

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この度本郷キャンパスにて特別上映される『二重生活』は、2011年に電影局からの禁令が解け、中国本土に戻って撮影されたものだ。すでに第65回カンヌ国際映画祭「ある視点部門」に正式招待されたほか、第7回アジア映画大賞(アジアン・フィルム・アワード)で最優秀作品賞など3部門を受賞している。

樋口毅宏さん(作家)、刈間文俊教授とのシンポジウム

23日の「特別講義」では、作家の樋口毅宏さんと、東京大学院総合文化研究科の刈間文俊教授という2人のゲストを迎え、ロウ・イエ監督が自身の映画について語る。
刈間教授は中国の現代文学を研究し、中国映画を題材に東京大学で講義を開いており、各時代の貴重な中国映画を見ることの出来る授業は駒場で話題となっている。また、樋口さんはロウ・イエ監督の『天安門、恋人たち』に影響を受け著書『日本のセックス』を書いたと述べている。

『二重生活』の特別先行上映に加え、それぞれのゲストの視点から語られるロウ・イエ作品についての「特別講義」は、映画ファンには絶対に見逃せないイベントとなるだろう。
参加には特設サイトからの事前予約が必要だ。

(文責 後藤美波)

 

【日時】
2015年1月23日(金)
17:30開場/17:45上映スタート/19:30トークイベントスタート/20:30終了

主催:東京大学見聞伝ゼミナール


【会場】
東京大学・本郷キャンパス 石橋信夫記念ホール(情報学環・ダイワユビキタス学術研究館3階)
東京都文京区本郷7−3−1 
MAP:http://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/cam01_14_04_j.html

【参加方法】
入場:無料
参加予約:以下URLより事前予約が必要。
http://peatix.com/event/69525

【ゲスト】
樋口毅宏(作家)、刈間文俊(東京大学教授)、ロウ・イエ(映画監督)
<プロフィール>
■樋口毅宏(作家)
1971(昭和46)年東京都豊島区雑司ヶ谷生まれ。作家。出版社勤務を経て、09年『さらば雑司ヶ谷』で小説家デビュー。著者に『さらば雑司ヶ谷R.I.P.』『日本のセックス』『民宿雪国』『テロルのすべて』『二十五の瞳』『ルック・バック・イン・アンガー』『タモリ論』『甘い復讐』がある。最新刊は『愛される資格』。


■刈間文俊(東京大学教授)
1952年東京都生まれ。東京大学大学院総合文化研究科教授。
共著書に「上海キネマポート―甦る中国映画」(凱風社)1985年、「チャイナアート」(NTT出版)1999年、訳書に陳凱歌「私の紅衛兵時代-ある映画監督の青春」 (講談社) 1990年、ジェレミー・バーメーほか「火種―中国知識人の良心の声」(凱風社)1990年、編著書に「衝撃の中国血の日曜日―燃え上がった民主化闘争」(凱風社)1989年など、これまで中国映画の字幕を百本近く翻訳してきた。 

 

■ロウ・イエ監督
1965年劇団員の両親のもと、上海に生まれる。1985年北京電影学院映画学科監督科に入学。
『ふたりの人魚』(00)は中国国内で上映を禁止されながらも、ロッテルダム映画祭、TOKYO FILMeX2000でグランプリを獲得。1989年の天安門事件にまつわる出来事を扱った『天安門、恋人たち』(06)は、2006年カンヌ国際映画祭で上映された結果、5年間の映画製作・上映禁止処分となる。禁止処分の最中に、中国では未だタブー視されている同性愛を描いた『スプリング・フィーバー』が、第62回カンヌ国際映画祭で脚本賞を受賞。パリを舞台に、北京からやってきた教師と、タハール・ラヒム演じる建設工の恋愛を描いた『パリ、ただよう花』は第68回ヴェネツィア国際映画祭のヴェニス・デイズ、および第36回トロント国際映画祭ヴァンガード部門に正式出品された。
2011年に電影局の禁令が解け、中国本土に戻って撮影された本作『二重生活』は、第65回カンヌ国際映画祭ある視点部門に正式招待。ほか、第7回アジア映画大賞(アジアン・フィルム・アワード)で最優秀作品賞ほか3部門を受賞。中国現代文学の代表的作家でありロウ・イエと親しい友人でもあるピー・フェイウー(畢飛宇)の小説を原作にした『ブラインド・マッサージ(英題:Blind Massage/原題:推拿)』は第64回ベルリン国際映画祭銀熊賞(芸術貢献賞)を受賞。日本では2014年9月にアジアフォーカス・福岡国際映画祭にて先行上映された。

 

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2015年1月24日(土)公開 『二重生活』
とある事件。被害者の女性と数時間前まで一緒にいた男は、二つの家庭を持っていた。
中国の鬼才ロウ・イエによる、予測不能の<メロドラマ・ミステリー>。
映画『二重生活』予告編
【あらすじ】
優しい夫と可愛い娘。夫婦で共同経営する会社も好調で、なにも不自由のない満ち足りた生活を送る女ルージエ。愛人として息子と慎ましく生活しながらも、いつかは本妻に、と願う女サンチー。流されるまま二人の女性とそれぞれの家庭を作り、二つの家庭で生活する男ヨンチャオ。いびつながらも平穏に見えたそれぞれの日常は、ほんの少しの出来事でいとも簡単に崩壊し、その事件は起きた。3人の男女、事件を追う刑事、そして死んだ女。それぞれの思わくと事情が何層にも重なりあい、物語はスリリングに進んで行く。

 

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