東大先端研などの研究チームは4日、都内の医療機関で5月25日に採取した500人分の血液について、新型コロナウイルスの抗体検査を行った結果を発表した。陽性は4人で、5月初旬の結果と合わせると、5月の東京では1000例中7例となり、0.7%が陽性だった。
今回陽性の結果が出たのは30代、40代、80代の女性と90代の男性の4人。感染後、数日から1週間ほど遅れて増える抗体「IgG」がいずれも陽性で、感染初期に増えて短期間で消失する抗体「IgM」はいずれも陰性だった。IgGは見られたがIgMは見られなかったため、既感染者の可能性が高いという。5月15日に発表された500人を対象とした検査結果では、20代、30代、50代の男性の3人の抗体陽性が分かっていた。
今回の抗体測定は、都内の医療機関を受診した人のランダムな罹患率を精密に定量的な数値で知ることで、都内の罹患率を推定するとともに、医療機関の感染拡大のリスクを知ることが目的。東大先端研や東大アイソトープ総合センターを含む6大学・研究機関が連携し、臨床検査を実施するLSIメディエンスの協力で、5月中に1000人の測定を実施した。
この記事は2020年6月16日号から転載したものです。本紙では他にもオリジナルの記事を掲載しています。
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