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2024年7月16日

【寄稿】軟式野球部 春季リーグ振り返り 一時は首位も 大きな躍進

 

 今春のリーグ戦では3位という結果を手にし、一時は単独首位の座にまで登り詰めた東大軟式野球部。秋季リーグ戦を控える中、春季の健闘を振り返ってもらった。(寄稿=真田恒・東京大学運動会軟式野球部、写真は全て東大軟式野球部提供)

 

 3月14日、春季リーグが開幕した。新チームとして迎えたものの2勝8敗の最下位と振るわなかった昨秋の雪辱を果たすべく、冬から鍛錬を積んできた。

 

春季リーグ開会式後の部員一同
春季リーグ開会式後の部員一同

 

 初戦の相手は明治大学である。先発の林隼介(工・4年)が五回までを無失点に抑え、流れを引き寄せる投球を見せると、打線もそれに応える。得能大暉(文II・2年)や藤上将梧(文I・2年)、そして選手兼任監督の真田恒(育・4年)らの安打が飛び出し、五回表に一挙6点を奪い先制する。

 

 その後は檜山岳(工・3年)、安藤拓登(工・4年)のリリーフ陣が明治打線を2失点で抑えてリードを守り、初戦を勝利で飾った。

 

 第2戦は昨秋王者の法政大学に惜しくも敗れたものの、第3戦は林、安藤の好投や増田悠佑(工・4年)、杉村奎伍(経・3年)の適時長打などの活躍で立教大学相手に勝利を収めた。

 

 第4戦は、井上創太(理I・2年)、安藤が慶應義塾打線を1失点に抑え、打線も真田、藤上の適時打や坂本蓮(理I・2年)の犠飛で3点を奪い勝利した。

 

第4戦で好投した本格派高身長右腕・井上
第4戦で好投した本格派高身長右腕・井上

 

 前半最終戦となる第5戦は、初戦で快勝した明治大学であったが、初戦とは異なり苦しい試合展開となる。本岡真秀(経・4年)、林、安藤の投手陣は抜群の投球を見せ明治打線を無失点に封じ込めるが、打線になかなか決め手となる一本が出ず、お互い無得点のまま試合は延長戦へ突入した。

 

 八回から登板した安藤は6イニング目となる延長十三回にもマウンドに上がったが、2死二塁から適時打を浴びてしまう。熱投を見せていた安藤に負けを付けたくないと奮起した打撃陣だったが、あと一歩得点は叶わず悔しい敗戦を喫した。

 

 折り返しの第6戦は、初回から真田の内野ゴロの間に先制すると、得能も適時二塁打で続き2点目を奪う。また、六回には片山大誠(文I・2年)の適時打で追加点を奪うことに成功する。一方投手陣は林、井上が法政打線を無失点に抑える快投を見せ、長年勝利できていなかった法政大学相手に悲願の勝利をあげた。

 

 第7戦の立教大学戦は、劇的なシーソーゲームとなった。まず初回、1死一、三塁から増田が盗塁を成功させると、それが相手のミスを誘い、三塁走者の藤上と一塁走者の増田が生還し2点を先制する。

 

 すると六回、立教打線の4番打者の適時三塁打、5番打者の犠飛で同点に追いつかれる。打線はその裏、片山の内野安打ですぐさま勝ち越しに成功するが、七回に立教打線に1点を返され、またもや同点とされる。

 

 そのまま試合は延長戦に突入すると、十回裏、監督であり頼れる4番打者でもある真田がしぶとい打撃を見せて一、二塁間を破り、劇的なサヨナラ勝利を収めた。

 

第7戦でチームを首位に浮上させるサヨナラ打を放った監督・真田
第7戦でチームを首位に浮上させるサヨナラ打を放った監督・真田

 

 この時点で東大は7試合を終えて5勝2敗の成績であり、単独首位となった。

 

 第8戦の慶應義塾大学戦では、二回に4点を失うと、そのまま打線も流れに乗れず、得点できずに手痛い敗北を喫してしまう。こうして東大は、優勝争いの相手である早稲田大学との2試合を残し、2連勝した方が優勝という状況でリーグ戦最終盤を迎えることとなった。

 

 そして優勝を掴むべく、意気込んで臨んだ第9戦であったが、予想だにしない試合展開となる。初回のマウンドに上がったのは、ここまで抜群の安定感で相手打線を抑えこみ、チームに多大な貢献をしてきた林だったが、この日は制球が定まらない。相手打線の安打や4死球で3点を失い、1死も取れずに降板という非常事態となった。

 

 その後も早稲田打線の勢いは止まらず、三回までに9点を失う苦しい展開となる。打線は九回に、代打で出場した野田浩輔(理I・2年)が先頭で安打を放つと勢いに乗り、坂本の適時三塁打や藤上の犠飛で2点を返すが、そこまでにとどまり、敗戦を喫してしまった。

 

代打で出場しリーグ戦初安打を記録した野田
代打で出場しリーグ戦初安打を記録した野田

 

 優勝の可能性は消失したものの、全国大会へつながる西関東ブロック大会への出場権をかけて、最終戦に挑む。打線は初回、杉村の適時打で先制に成功する。しかし、二回に犠飛で追いつかれると、四回にも4点を奪われ、そのまま敗戦となってしまった。

 

 一時単独首位という景色を見たものの、3位という結果に終わった春季リーグ。3季連続最下位となっていた東大に、今季で引退となる4年生が残してくれた財産は非常に大きい。無念を晴らすために、その財産を生かしながら、来季はもっと高みを目指していきたい。

 

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