2023年9月1日

関東大震災から100年 8月号「震災特集号」の見どころを一挙紹介

 

 本記事の公開日は2023年9月1日。1923年9月1日に発生した関東大震災からちょうど100年です。
 東大新聞では、8月号を「震災特集号」と題し、防災対策、震災時のデマ、地震研究などさまざまな観点から震災にフォーカスした特集を掲載しました。

 

こちらのページでは、8月号の特集記事のオンライン版を一挙に紹介しております。ぜひご覧ください!

 

8月号発行責任者より

 

 100年前の出来事でも意外と現代と通じている。デマは関東大震災では差別を助長したが、12年前の東日本大震災でも7年前の熊本地震でも社会を混乱させた。また、関東大震災の頃にはすでに震災時のボランティア活動が行われていた。そこで全体を指揮した東京帝大の学生が直面したのは、現代の災害でも問題視される課題だった。関東大震災をきっかけに、地震研究所が設立され、地震研究の進展が始まった。

 

 本号は今年は関東大震災から100年を迎えたことをきっかけに発行されたが、テーマを関東大震災だけに絞る必要はない。今後生じる災害で生かされる教訓を伝えるのがこの特集の意義だ。だからこそ、本号は「震災特集号」と銘打ち、災害弔慰金や困難を抱える人の避難など東日本大震災などで顕在化した問題を扱ったり、ボランティアの話題から災害一般について支援の在り方を探ったりと幅広いテーマで内容を充実させた。こだわりの詰まった「震災特集号」の特集記事をオンラインでも多くの皆さまに読んでいただけるならばこれほど幸せなことはない。(2年・新内智之)

 

在間文康さんインタビュー 弁護士として被災者に向き合う

 

 東大法科大学院を卒業後、東日本大震災直後の陸前高田にたった一人の弁護士として赴任した在間さん。被災者一人一人と向き合った経験を糧に、現在も陸前高田と関わりながら弁護士として活動している。災害時に弁護士として、そして人としてどのように被災地をサポートするべきかを聞いた。

 

【記事はこちら】

震災直後の陸前高田で 一人一人と向き合い、人生をサポートする 在間文康さんインタビュー

 

 

関東大震災の教訓を生かす地震研究

 

 7月23日と30日に、東大大講堂(安田講堂)にて「大正関東地震100年シンポジウム 関東大震災と東京大学―教訓を首都直観地震に活かすー」が開催された。第Ⅰ部に参加した記者のレポート記事をご紹介。

 東大弥生キャンパスにある地震研究所。関東大震災の2年後、1925年に設立され、100年近く地震・火山に関する最先端の研究を行ってきた。木下正高教授(東大地震研究所)に、地震研究所の沿革、そして現在の研究内容について聞いた。

 

【記事はこちら】

東大の地震研究 その歴史と最前線に迫る【前編】関東大震災の教訓を首都直下地震対策に生かす 大正関東地震100年シンポジウム

東大の地震研究 その歴史と最前線に迫る【後編】東大地震研究所 100年前に背負った使命 そして地震研究の今をみる

 

災害時の混乱する情報とどう向き合うか

 

 震災発生時には、自然災害のみならず、事実と異なる情報の流布も大きな被害を呼ぶ。関東大震災では、流言の拡散が朝鮮人の虐殺につながった。

 

 関谷直也准教授(東大大学院情報学環総合防災研究センター)、鳥海不二夫教授(東大大学院工学系研究科)、宍戸常寿教授(東大大学院法学政治学研究科)に災害時の情報伝達のあり方、そしてわれわれの情報への向き合い方について聞いた。

 

【記事はこちら】

震災と情報 情報の激流の根源と向き合い方【前編】

震災と情報 情報の激流の根源と向き合い方【後編】

 

要配慮者を取り残さない避難のために

 

 災害時の避難及び避難生活において、高齢者や障害者、妊産婦、外国人など特別な支援や配慮を必要とする人々は多い。配慮が必要な人々を取り残さない避難のあり方とは。

 

 ハンディキャップを持つ人々の避難の課題とその対策について小田隆史准教授(東大大学院総合文化研究科)に、避難所の現状と工夫について長陽介さん(文京区総務部危機管理室防災課 災害拠点担当手査)に聞いた。

 

【記事はこちら】

災害にどう対処するか? ハンディキャップを持つ人を取り残さない、避難のあり方と課題

 

連携の取れた災害支援を目指して

 

 関東大震災の支援に奮闘した、100年前の東大生の「救護団」の知られざる活躍をご紹介。さらに、災害支援に携わるボランティア支援団体、JOVADに望ましい災害支援について聞いた。

 

【記事はこちら】

関東大震災と東大生 災害支援を「支援」する

 

最古の地震文学『方丈記』の魅力に迫る

 

 日本最古の災害文学として知られる鴨長明の『方丈記』。成立から800年以上経つ今も多くの人々に読み継がれている。木下華子准教授(東大大学院人文社会系研究科)に方丈記の知られざる魅力、そして災害文学のあり方について聞いた。

 

【記事はこちら】

【前編】「最古の災害文学」「最古の論文」読み継がれる『方丈記』の魅力に迫る

【後編】「最古の災害文学」「最古の論文」読み継がれる『方丈記』の魅力に迫る

 

〈連載〉『風立ちぬ』 困難な時代の中で必死に「生きる」物語

 

 スタジオジブリが制作したアニメーション映画『風立ちぬ』。実在の航空技術者堀越二郎の人生をモデルに作られた。主人公二郎が生き抜いた日々は、関東大震災や病気、戦争などが起こる激動の時代であった。本作の魅力や関東大震災の描写のこだわりについてご紹介。

 

【記事はこちら】

【東大CINEMA】『風立ちぬ』 激動の時代に輝く「生」

 

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【記事修正】

2023年9月2日午前2時41分 9月1日を過ぎましたので、1文目を修正いたしました。

2023年9月5日午後8時43分 在間文康さんのインタビュー記事が公開されましたので、記事のリンクを掲載しました。

 

 

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