東大は5月31日、東日本旅客鉄道(JR東日本)と進める協創プロジェクトに関連して、マルハニチロもパートナーに加えて産学協創を拡大すると発表した。人・地球に優しく持続的な食「プラネタリーヘルスダイエット」の創出や供給に取り組むとしている。
東大とJR東日本は、本年度末に開業予定のTAKANAWA GATEWAY CITY内に、新しいキャンパス「東京大学 GATEWAY Campus」を開設する。同拠点を中心とした、未来のくらしづくりを考えるプロジェクトのビジョン実現に、マルハニチロも加わる形。同キャンパスを拠点とする東大の水産利用学・食品情報利用学といった学際知に、マルハニチロの資源アクセス・加工・流通のネットワークを融合する。持続可能な魚食の拡大に向けたリデザインやパーソナルヘルスレコード(健康に関する情報を収集、一元的に管理するもの)による各人の健康状態に応じた完全栄養食の提供などを目指し、プラネタリーヘルスダイエットの創出に取り組む。マルハニチロは2026年に本社をTAKANAWA GATEWAY CITYに移転する予定で、同地を中心とした展開が図られる。JR東日本の顧客接点も活用し、日本・世界の各地への発信も目指すという。マルハニチロの担当者は、駒場および本郷キャンパスの学生にも取り組みに参加してもらう可能性を示唆した。
東大は昨年10月、JR東日本と100年間の産学協創協定の締結と協創プロジェクト「Planetary Health Design Laboratory」の発足を発表。プラネタリーヘルスの創出に取り組むとし、拠点として「東京大学 GATEWAY Campus」の開設を明らかにしていた。東大らは、プラネタリーヘルスを、経済活動が健康や都市・地球環境に与える影響を分析し、「人・街・地球」の全てがバランス良く保たれる暮らしを目指すこととして位置付けている。