自動車学校に入ったものを待っているのは、みきわめ合格後に卒業検定を合格するまでの3カ月の検定期限や仮免取得後の6カ月の有効期限といったさまざまな期限。中でも重要なのは自動車学校の教習期限で、期限の9カ月を過ぎると退校となってしまう。もちろん、普通に教習を受けていれば運転が苦手だろうとどの期限も切れることはまずないはずなのだが、中には教習期限が切れそうという不安を感じている人もいるのではないか。今回は教習期限が切れてから免許を取得したある編集部員の一風変わった体験談を聞いてみよう。(取材・佐藤健)
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再入校の費用は〇万円!? 教習期限を切らしたFさん(3年・首都圏出身)の体験談
両親が両方とも地方出身のため免許取得を強く勧められ、大学入学前の3月下旬から教習所に通い始めました。運転が苦手で教習が苦痛だったり、大学の授業が思いのほか忙しかったり、片道25分程度と交通の便も悪かったりして2週間に1、2回程度の頻度でしか通えませんでした。それでも教習には6月終わりごろまでは定期的に通っていましたが、仮免取得のための効果測定を受けるのが面倒で、大学のテストやレポートを言い訳に夏休みが始まってからにしようと後回しにしてしまいました。しかし、元々の教習所への苦手意識や期間が空いたことへの負い目から教習所へのやる気がどんどん減ってしまい、結局夏休みには一度も行くことがありませんでした。
Aセメスターが10月に始まっても結局教習へは通わず、同月中旬ごろに一度電話がかかってきたのですが、間違い電話だろうと思って無視してしまいました。11月中旬にもう一度電話がかかってきたときには教習期限まで1カ月ほどとなっていました。教習所に行って話を聞いてみると、通常のペースでは1カ月で第2段階を修了することは難しいので仮免を取得してからの再入校を勧められました。というのも仮免取得後に退校になると、仮免の有効期間は続くものの第2段階の教習は無効となり、その分の授業料も再度払わないとならなくなるのだそうです。少なくとも私が通っていた教習所では、第2段階の教習を一つも受けないで9カ月を過ぎてから再入校すれば、入校時に支払った第2段階の教習料金や仮免取得までに掛った費用は不要で、入校代の3万円程度で済むということでした。また、教習期限は変わらず9カ月あるものの仮免期限の6カ月以内に卒業するように注意されました。その後、久しぶりの運転で、教官の反応を見てもかなりおまけをしてもらったのだと思いますが、なんとか1カ月で仮免を取り終えました。仮免取得後は教習期限が切れるのを待ち、期限が切れてから再度入校の手続きをして入校代を支払いました。
再入校したら第2段階の続きから授業を受けるのではなく、再度適性検査を受ける必要がありました。適性検査は一度受けたことがあったため、要領よく回答することができ、運転に向いているという診断結果が出ました。なんだかなあと思ったものの、その後は初回よりも時間に余裕があって頻繁に通えました。教習で怒られても再入校だから当然だと開き直っていたこともあり、1回目の入校の時よりはスムーズに進み、楽しんで教習を受ける事ができたように思います。教習手帳や原簿の表紙のコースを示す部分に再入校というスタンプが押してあることはかなり恥ずかしかったですが、再入校であることについて変に触れてくる教官は誰もいなかったこともありがたかったです。
通常ならどんなに長くても9カ月しか通わない教習所に1年以上通ったため、卒業するときはなんだか名残惜しい気持ちになりました。再入校になってしまったことはとても反省しており、今から考えるとなぜあんなにも教習所に行くことをさぼってしまったのか理解できません。ただ、再入校の費用が想像よりもかからなかったことや、結果的に教習所での思い出が単につらいものとはならなかったことは悪くはなかったかもしれません。もし教習期限が切れそうで悩んでいる人がいたら、すぐに教習所に相談しに行くといいと思います。行きづらいとは思いますが、親切に最適な方法を教えてくれるはずです。
【記事修正】2023年7月11日午前10時45分 重複していた文字を削除しました。
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