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2017年1月20日

東大法科大学院に全国4番目の配分率 国際化教育などに評価

文部科学省は12月26日、法科大学院の取り組みを評価し、補助金配分率を決める「法科大学院公的支援見直し強化・加算プログラム」の2017年度審査結果を公表した。東大法科大学院は昨年度に続き国際化の取り組みなどが評価され、全国で4番目に多い125%の補助金配分率を獲得した。最高は早稲田大学法科大学院の140%だった。

 

 東大は「東アジア法の理解を通じた多面的・創造的な法律家の育成」「海外派遣などによる国際的・先端的な活動領域の開拓」「英語での授業の充実による国際的な法律家の育成」の三つが、国際化に対応する「卓越した優れた取り組み」として高く評価された。

 

 東アジア法では中国を中心とするビジネス・企業法務に関わる授業や、東アジア諸国から教員を招いての授業を開講した。海外派遣では修了者約10人が国連などの国際機関や欧米の著名な法律事務所で1カ月前後研修する機会を提供。英語授業の充実については、米コロンビア大学・ミシガン大学の教員による授業「英語で学ぶ法と実務」を開講し、8月には外国人教員が6日間程度の集中講義を行うサマースクールを開催した。

 

 また「特に優れた取り組み」としては、体系的研究に裏付けられた教育や、その持続的発展のために将来の研究者を養成する取り組みが評価対象に。法律雑誌の編集を通じた問題発見・分析能力の育成や、若手研究者への支援などの法学教員養成事業が認められた。

 

 プログラムは予算の傾斜配分による、組織見直しの促進・先導的取り組みへの支援を目的に15年度予算から実施。補助金配分率は司法試験合格率などの指標で3類型に分けられる「基礎額算定率」と、今回の審査結果による「調整後加算率」の合計値で決定する。東大は基礎額算定率が最大評価の90%だったが、調整後加算率は早大より15%低い35%だった。

 

 全国の法科大学院の17年度入学定員が目標の2500人に達したことを受け、18年度予算では基礎額の設定方法が見直される。定員充足率を指標から削除し、夜間開講の状況を全ての法科大学院で加点要素に。社会人学生への教育支援を重視し、法科大学院の機能の多様化を目指す。

 


この記事は、2017年1月17日号からの転載です。本紙では、他にもオリジナルの記事を掲載しています。

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