東大ラクロス部男子は6月16日、京都大学との伝統ある定期戦「双青戦」に臨んだ。前年は13─2と快勝を収めていたが、本年は果たしてどうだったのか。ラクロス部男子の米今咲喜さんに寄稿してもらった(寄稿=ラクロス部男子・米今咲喜)
東京大学と京都大学の定期戦、通称「双青戦」が京都大学農学部グラウンドにて開催された。今シーズンのラクロス部男子は、3月の六大学戦から連敗が続くなど、厳しい状況に置かれていただけに、何としても勝利をつかみたいという強い思いがチーム全体に広がっていた。激しい攻防の末、5─4で京都大学を下し、7月15日に控えるリーグ戦に向けて希望を与える結果となった。
課題の前半、オフェンス陣が躍動
試合開始後、オフェンス(OF)機会が続くものの、ミスが目立ちなかなか流れに乗ることができない。試合が動いたのは第1クオーター(Q)9分過ぎ。粘るディフェンス(DF)のターンオーバからクリアにつなげると、虎視眈々とボールダウンを狙うロングミディ(LSM)の38番ウォルシュ冠選手(4年)とアタッカー(AT)15番川嶌周平選手(4年)の連携で相手DFを翻弄(ほんろう)し、見事先制点をつかんだ。
しかし、直後に失点。第2Q7分すぎにも相手選手の見事なシュートフェイクが決まり、逆転を許すことに。
今シーズン、ビハインドの展開から追いつくことが叶わないまま何度も敗北してきた東大。しかし、失点後のフェイスオファー(FO)で勝ちきり、ATの4番原圭佑選手(3年)にボールがつながると、強靭なフィジカルを生かし相手ゴールにボールをねじ込んだ。
「やったろう精神」を合言葉にシュートの決めきりにこだわりを見せてきた原選手。チームのムードメーカー的存在でもある彼のスコアはOF陣に勢いをもたらした。
続けて得点を決めたのは、ミディ(MF)の31番山田泰成選手(3年)。豪快なスタンシューをゴール隅に叩き込み3─2と東大が見事に逆転。その後はゴーリー(G)の0番向山卓実選手(4年)を中心に堅守のDFで京大OFを抑え込み、このまま前半を3─2で折り返した。
勝利への執念
追加点が欲しい東大。膠着(こうちゃく)した試合展開を打破したのは、意外な選手だった。第3Q10分すぎ、MFの9番山田康生選手(2年)が、強気のシュートをゴールにねじ込み、待望の追加点を獲得した。2年生ながらAチームの主力として成長を遂げてきた山田選手。A公式戦で待望の初ゴールを決めた。
しかしここから京都大学の追い上げが始まる。第3Q終了間際、相手のエースMFの粘りの1on1で左ランシューが決まり再び1点差に詰められると、追い上げムードそのまま、第4Q開始5分、またも相手エースMFにカウンター攻撃を決められ、4─4と同点に追いつかれた。
3月から始まった六大学戦から定期戦にかけて負けが続いていた東大。リーグ戦前最後の試合であるだけに、ベンチ一体となって並々ならぬ思いでフィールドに入った。
勝負が決したのはその6分後のことだった。15番川嶌選手からパスを受けた31番山田選手はこの機を逃さず強烈なショットを放ち、5─4。OFリーダーとして今シーズンチームを率いてきた山田選手渾身の技ありシュートが決まり、歓喜の雄叫びを上げた。
以降の試合時間もDFが粘り、OFもボールキープで時間を消費、ようやく待ち望んだ歓喜のホイッスルが鳴り響いた。
24シーズン主将 徳橋より
今シーズンは、例年に比べて少ない人数でシーズンが始まり、中々勝ちきれない試合が続いていました。そのような状況下で、リーグ戦直前期に伝統ある京都大学さんとの双青戦で勝利できたことは、大変嬉しく思っております。「学生日本一」という目標に向けて今まで以上にチーム一丸となって精進して参ります。ご声援のほどよろしくお願いいたします。
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7月15日に2024年のリーグ戦がいよいよ開幕する。東大は今シーズン、一橋大学、法政大学、獨協大学、中央大学、明治学院大学とともにAブロックに振り分けられており、7月に一橋大学、法政大学との試合が確定した。
一橋大学は、今年度初めて開催された東京六大学以外の関東1部校の7校による「七大戦」の初代王者。攻守ともにスタープレイヤーが勢揃いの隙のないチーム編成で、今1番勢いに乗るチームだ。
一方の法政大学は、2022年シーズンに1部に昇格した後、昨年度いきなり全日本学生選手権準優勝まで上りつめた実力校。昨シーズンの勢いは未だ健在で、層の厚いOF陣と、巧みなクロスワークで観客を魅了するDF陣による、連携の取れた展開の早いフィールドプレーが特徴だ。
Aブロックでも随一の強豪2校といきなりぶつかる形となった今シーズン。対する東大もリーグ戦まで残された日数を全力で準備していく。今シーズンもBLUE BULLETSへ熱い声援をお願いしたい。
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