ラクロス部男子(関東学生1部リーグ)は11月9日、早稲田大学と決勝トーナメントの決勝戦を戦い、3─9で敗れた。東大は、昨年関東リーグを制した早大相手に、第1Q(クオーター)終了時点で2─3と食らい付く。しかし早大の圧倒的な実力を前に防戦一方となる展開の中、大量失点を喫した。東大は2年連続で準優勝。
試合後引き上げる東大の選手(撮影・中井健太)
東大|2010|3
早大|3222|9
東大は昨年も決勝で早大と対戦。「全ての面で完敗」(当時の主将)し、優勝を逃した。雪辱を果たすべく臨んだこの日の試合だったが、またも実力差を見せつけられた。序盤から押し込まれるが、第1Q、東大は少ないチャンスを生かして反撃する。1点を追う第1Q6分に成田悠馬選手(農・4年)が遠い位置から豪快に得点。2点を追うクオーター終了間際には、黒木颯主将(工・4年)が、相手ゴーリーの弾いたボールを押し込み、1点差に詰め寄る。
第1Q、同点に追い付き喜ぶ選手たち(撮影・小田泰成)
しかし第2Q、追撃に向けた流れを自ら手放す。自陣で簡単なパスをミスして攻撃権を失うと、その直後、相手の反則で数的有利のチャンスを得たが、攻め急いで相手に囲まれ、またもボールを失う。その結果、高い攻撃力を持つ早大に長い攻撃時間を与えることになり、大量のシュートを浴びる。ゴーリーの三木理太郎選手(工・3年)がたびたび好セーブを見せるもこらえ切れず、失点や反則を重ねた。
第3Q、3点目を奪ったが、反撃はここまでだった(撮影・小田泰成)
4点差となった第4Q、東大は相手のクロスが規定違反であるとしてクロスチェックを申請。違反と認められれば3分間の数的有利となり、認められなければ3分間の数的不利を課される「賭け」に逆転へのわずかな望みを託したが、判定は違反なし。勢いに乗った早大にさらに得点を許し、完敗した。
第4Q、8失点目を喫し突き放される(撮影・中井健太)
◇黒木主将の話
──早大は強かったか
完敗だった。涙も出ない試合(笑)。
──早大の実力は想定以上だったか
セットオフェンス(陣形を整えてから掛ける攻撃)とセットディフェンスはしっかり準備していたが、クリア(自陣の守備陣から敵陣の攻撃陣にボールをつなぐプレー)ができなくて、自分のセットオフェンスに持ち込めなかったのがうちの敗因。
──相手のプレッシャーが強かった
本当にそうですね。早稲田は特徴的なライド(クリアに対する守備)をするチームで、対策したつもりだったが全然駄目だった。そこは予想より上だった。
──東大としてはいつも通りのプレーができていたか
セットオフェンスはいつも通り。崩せていたし、あと何回かできれば点も取れていたなっていう印象だったが、しっかりつぶされた。そもそもセットオフェンスができない、土俵に立てないっていう。
──今季を通じて、来季への収穫は見られたか
(リーグ戦前の)五月祭試合とか、六大戦とか、練習試合を通してなかなか勝てなかった中で、リーグ戦を通してしっかり成長してここまでは来れた。考えてやれば成長できる、ここは来年にもつながるところかな、と。来年は今年より人数が少ないので厳しいところもあるかもしれないが、タレントはそろっているので、しっかり成長できればやれるはず。
──シーズンを通して成長できた要因は
基準を下げなかったところ。例えば、リーグ戦初戦負けても、目標は学生日本一だよ、次のリーグ戦1勝するのが目標じゃないよ、とずっと言っていた。学生日本一がずっと目標で、それに通用するオフェンスディフェンスをしっかりつくり上げていこうっていう発信がしっかりできていたから、目線が下がらないでここまで来られたのかな、と。正しい目標を言って、そこに正しいプロセスで行く、っていうところが大事。