ラクロス部男子(関東学生1部リーグ)は10月5日、FINAL4(決勝トーナメント1回戦)を慶應義塾大学と戦い、4─3で勝利した。東大は第1クオーター(Q)、成田悠馬選手(農・4年)が先制。2度追い付かれるも、守備陣は連続失点を許さず、振り切った。次は11月9日、FINAL(決勝トーナメント決勝戦)を、早稲田大学と駒沢オリンピック公園第二球技場で戦う。
試合に勝利して喜ぶ東大チーム(撮影・中井健太)
東大|1111|4
慶大|0111|3
リーグ戦では、立ち上がりに失点する場面が多かった東大の守備。しかし「負けたら終わり」の決勝トーナメントで、高い集中力を発揮した。過去10回の全日本学生選手権のうち4回を制している「陸の王者」を相手に、しっかりと体を寄せ、危ないシュートを打たせない。課題の立ち上がりをクリアすると、第1Q8分、これに応えるかのように攻撃のエース・成田選手が先制する。
貴重な先制点を決める成田選手(撮影・中井健太)
その後も守備陣は、数字の上では2度追い付かれたものの、安定したプレーを見せる。厳しくクロスをぶつける1対1でシュートの芽を摘み、シュートを打たれてもゴーリーの三木理太郎選手(工・3年)がナイスセーブ。失点を最小限に抑え、1点リードで最終第4Qを迎える。
すると3連続シュートをしのいだ後の第4Q8分、相手が反則で1人少ない状況に。ここで、ゴール脇でパスを受けた鶴田直大選手(法・4年)が倒れ込みながらゴールを挙げ、この日初めて2点差を付ける。
決勝点となった鶴田選手のシュート(撮影・中井健太)
しかし試合終盤、こちらも「負けたら終わり」の慶大に猛攻を受ける。試合終了2分前、相手エースにゴールを決められ、1点差に。さらにパスを奪われ、立て続けにシュートを浴びる。しかし最後は三木選手がセーブし、前線に長いパスを出したところで試合終了。格上と見られた慶大に、下克上を果たした。
試合終了直前、自ら弾いたボールを抑える三木選手(撮影・中井健太)
(児玉祐基)
◇黒木選手の話
──試合終了時の心境は
勝ち切れたな、という感じ。
──ヒヤヒヤしていたか
最後は何も考えられなかった。とにかくもう守るしかないっていう。時間帯的にうちが点取ることはなかったんで、とにかく守り切るしかないな、と自分と対面する選手に必死だった。
──勝因は
ゴーリーの三木選手と、ディフェンスがよく守ってくれた。
──立ち上がりに課題があったが、どう修正したのか
気持ちの入れ具合。具体的に仕組みを変えた、とかではない。3週間の準備期間、とにかく入りから、試合通して戦わないと勝てない、と言い続けた。負けたら引退っていうのは、しっかり浸透していた。
──守備の良かった点は
1対1と、あとは相手がシュートを打つところにしっかりプレッシャーを掛けられていて、フリーな状態で簡単にシュートを打たせなかった。相手の3番はエースで日本代表級だったが、しっかりシュートを打つところをつぶした。今日は1点食らったが、仕事をさせなかった。
──慶大のシュートが枠に飛んでいない印象だった
外してくれたっていうのも正直あるが、しっかり相手の視界に入ってプレッシャーを感じさせることができたから外れているっていうのは絶対あると思う。
──FINALへの意気込みを
勝つことが全て。しっかり準備する。