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2016年10月31日

男子ラクロスの魅力に迫る 11月3日に7年連続の”FINAL4”

「地上最速の格闘球技」との呼び名通り、敵の守備に邪魔されながらも豪快なシュートを放つ鐵見周平選手(工・4年、#1)=9月3日、駒沢オリンピック公園総合運動場第二球技場で(撮影・竹内暉英)
「地上最速の格闘球技」との呼び名通り、敵の守備に邪魔されながらも豪快なシュートを放つ鐵見周平選手(工・4年、#1)=9月3日、駒沢オリンピック公園総合運動場第二球技場で(撮影・竹内暉英)

 

 「地上最速の格闘球技」とも呼ばれ、時に時速160キロを超えるシュートを放ち合うラクロス。ラクロス部男子は、関東学生リーグの上位4校のみで争うトーナメント戦1回戦(FINAL4)に7年連続で進出。2008年の全日本選手権ではベスト8となった強豪だ。11月3日に早稲田大学とFINAL4を戦うのを前に、サッカーと比較しながらラクロスの魅力や観戦ポイントを解説する。

(取材・横井一隆)

 

 男子ラクロスは、10人のチームがクロスと呼ばれる網の付いたスティックでボールを運び、得点を競う球技。ラクロス部がある中学校や高校は少ないため、大学生になって初めて存在を知る人が多く、選手にはサッカーやバスケットボール経験者が目立つ。

 

 主将の品川選手(法・4年)もサッカー経験者。サッカーとの類似点として「試合時間が80分と近く、ボールがフィールドから出ても時間が流れる点、フィールドの広さ」を挙げる。しかし「相手との接触の多さ、戦術の幅広さがサッカーと違う魅力」だと語る。

 

 ラクロスではボールを奪う際などに、相手にぶつかっても過剰でなければファールにならない。「むしろ相手にぶつかることは、チームに流れを持ってくるので美徳とも言えます」と品川選手は力説する。激しいぶつかり合いは、試合が盛り上がると同時にどちらのチームが主導権を握るかを左右する大事な場面だ。品川選手は「ぶつかっても痛がらない男のスポーツ」だと訴える。

 

 戦術の幅広さもラクロスの魅力だ。ラクロスでは網にボールを収めたまま走れる。加えてシュートがゴールの枠に入らなくても、ラインを越えたときにボールに一番近い選手のチームのボールになるため、ボールを保持しやすい。ゴール裏もフィールド扱いされるルールのため、長い間ボールを持ちながら幅広い戦術を実行できる。ボールを足で扱うため相手にボールを奪われやすいサッカーに比べ、多彩な攻撃が見られる試合が多い。

 

 どんな戦術でも、ゴーリー含め7人いる敵守備陣のうち長いクロスを持った4人をいかにばらけさせて、万全の姿勢でシュートを打つかが基本。一方、守備陣は相手の戦術を予想しながらパスカットなどの機をうかがう。どんな工夫でシュートを放ち、防いでいるか観察するのも試合の楽しみ方の一つだ。これだけ押さえたい3用語(図)も参考にぜひ観戦してほしい。

 

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 東大は、今季リーグ3勝1敗1分け。リーグ全勝だった昨年と比べ苦しみながらFINAL4進出を決めたが「その分、課題は見えている」と品川選手は前向きに捉える。「主力選手の多くが経験豊富な4年生なので、各々が課題を克服すれば穴がないチームが完成すると思います」。FINAL4は11月3日、大井第二球技場での早大戦。ここ4年で達成していないFINAL4突破、05年以来の優勝に乞うご期待だ。

 


この記事は、2016年10月25日号からの転載です。本紙では、他にもオリジナルの記事を掲載しています。

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