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2022年8月9日

「採点者からの報告段階でミス」 取り違えの詳細回答

 教養学部は8月8日、東京大学新聞社の取材に対し、前期教養課程で起こった成績評価取り違えのミスに関する詳細を明かした。取り違えが発生した理由について、採点者からの報告段階でミスがあったと回答した。

 

 関係する学生に対しどのように説明を行ったかに関しては、成績確認申請が行われても科目担当教員から詳細を説明する取り扱いにはなっていないと答えた。

 

 他に取り違えの事例があるかについては「成績確認申請のあった学生及びその修正で影響のあった学生について、全ての成績を確認」と回答。他の取り違えの事例がある可能性の確認については回答を避けた。東京大学新聞社はこの件に関して再度取材を行う予定。点数の取り違えに関して、今後は複数名でチェックを行うことで再発防止に努めるとした。

 

 東大は成績を取り違えられた学生に対して説明を行うより先に、問い合わせを行ったメディアに対して説明をした。これについて、当該学生の代理人に8月10日までに回答する準備をしていたが、8月4日に記者会見が開かれたのち教養学部への質問が殺到したため、東大への疑念を晴らすべくメディアへの回答を先に行ったとした。

 

以下は東京大学新聞社の取材と教養学部の回答(原文まま)

 

──「他の学生の点数と入れ違って入力されるミスがあった」ことは事実でしょうか

 

 事実です。

 

──取り違えがあったことが確かな場合、取り違えが発生した理由及び発覚した経緯をご提示ください

 

 当該回の採点者からの報告の段階でミスがありました。成績確認申請があったため精査したところ、このミスが判明しました。

 

──同じく取り違えがあったことが確かな場合、当該学生ら関係する学生への説明をどのように行ったのか、ご教示ください

 

 成績確認申請は、評点に誤りがあることが判明した場合に、正しい点数に修正するという手続きですので、上方修正することも下方修正することもあり得ます。この手続きはそのことを理解の上申請することとなっており、修正があったからといって科目担当教員からその内容について詳細を説明する取扱いにはなっていません。

 

──同じく取り違えがあったことが確かな場合、他に取り違えの事例がある可能性の確認を行ったか、行った場合どのように、何人分の成績の確認を行ったのか可能な範囲でご教示ください

 

 成績確認申請のあった学生及びその修正で影響のあった学生について、全ての成績を確認しています。

 

──杉浦蒼大さんは「成績評価の確認により点数が17点下がったことが発覚したのち、その理由を1ヶ月半以上説明されず、記者会見後に教養学部がメディアに対し行った返答ではじめて成績が取り違えられていたと知った」と証言しています。仮に杉浦さんの証言が事実だった場合、当事者である杉浦さんと、成績が取り違えられた学生の説明よりも先に、外部メディアに対する説明を行うに至った経緯をご教示ください

 

 本人は代理人を立てており、先日代理人からこの件について質問があったため、期日の8月10日までに回答するべく準備していました。しかしながら、本人がそれを待たずに8月4日に記者会見を開き、こちらにメディアからの質問が殺到する事態となりました。このため、本学への疑念を払しょくするために、やむを得ず代理人への回答より先に各メディアからの取材に対して成績下方修正の理由を説明せざるを得なくなった次第です。なお、代理人には8月8日付けで回答しています。

 

──今後の再発防止策について検討は行われているのでしょうか、またその内容について説明を行う予定はございますでしょうか、ご教示ください

 

 今後はこのようなことがないように、評点の集計にあたり各回の評点の段階から複数名でのチェックをすることで再発防止をはかる予定です。

 

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