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2022年6月7日

東大、ソフトバンクら3社と医用画像分野の共同研究組織設立

 東大は5月20日、ソフトバンク、ヤフー、暗号資産ビジネスを手掛けるクリプタクトとの連名で「医用画像通信技術研究組合」の設立を発表した。医用画像を分析する人工知能の研究開発用のデータ作成と、医用画像運用プラットフォームの構築、及び関連技術の研究開発に取り組んでいく。

 

 医療分野では、疾患の診断支援における人工知能の活用が期待されているが、個人情報保護のため、人工知能の研究開発に用いられる医用画像が十分に収集できず、高精度な人工知能の開発が難しくなっている現状がある。そこで医用画像通信技術研究組合は、匿名化された医用画像を患者自身が医用画像運用プラットフォームにアップロード・閲覧・管理できる専用アプリケーションの制作に取り組む。ブロックチェーン技術を用いた高いセキュリティーレベルの維持により、医療用人工知能開発に必要な医用画像運用プラットフォームの構築を目指す。患者にとっても自身の医用画像へのアクセスが容易になり、健康に対する意識が高まる効果があるという。

 

 主なプラットフォームやアプリケーションの構築及び研究開発を東大が担当し、その検証・実証実験をソフトバンクが行う。セキュリティを保つためのブロックチェーン技術はクリプタクトが開発し、ヤフーはこうした成果の社会実装・事業化を支援する。各々の得意分野を活かした役割分担が期待される。

 

 医用画像通信技術研究組合は東大やソフトバンクなどが設立した「Beyond AI 研究推進機構」による事業の一つであり、事業化益は研究活動や次世代の人工知能人材育成に充てられる。

 

 

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