東大は11月30日、農業機械の開発やインフラ整備を手掛ける株式会社クボタと産学協創協定を締結したと発表した。締結後10年間、クボタは約100億円を拠出し、食糧・水・環境分野で共同研究と人材育成、人材交流を行う。
協定では、「100年後の地球にできること」をテーマに、コンセプトとして自然共生(ビオ)と循環型社会(ループ)を両立する「ビオループ」の創生が掲げられた。食糧・水・環境のそれぞれの分野で東大の学術研究とクボタの技術開発力を融合させ「ビオループ」創生を目指す。
人材育成、人材交流については、クボタは東大生にグローバルインターンシップを提供する一方で、クボタ社員に対するリカレント(学び直し)教育を実施。また、東大はさまざまなステークホルダーへ「100年後の地球」を考える教育プログラムを提供し、次世代の育成を行う。
会見で、藤井総長は行動指針「UTokyo Compass」で地球規模の課題解決に取り組む方針を示したことに触れた上で「クボタは1890年の創業以来、社会課題の解決に取り組んできた。私達が実現を目指す社会像とビジョンを共有できる部分が多い」と協定の意義を説明した。
産学協創協定は過去に日立製作所、ダイキン工業、ソフトバンクなどと締結されてきた。藤井総長の任期中の協定締結は今回が初となる。