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2020年11月28日

小柴昌俊東大特別栄誉教授が死去 02年にノーベル物理学賞

小柴昌俊特別栄誉教授(2014年撮影)

 

 小柴昌俊特別栄誉教授が11月12日、老衰のため亡くなった。94歳だった。ニュートリノを世界で初めて観測し、ノーベル物理学賞を受賞した。

 

 小柴特別栄誉教授は愛知県出身。1951年に東大理学部を卒業後、米国などでの研究を経て、63年に理学部物理学科の助教授(当時)に着任。岐阜県飛騨市の神岡鉱山で宇宙線の実験を始める。83年から神岡鉱山のカミオカンデで、陽子崩壊の観測実験を行う。崩壊は観測できなかったものの、87年にニュートリノを観測。東大を退官する1カ月前のことだった。

 

 退官後は、東海大学に籍を置き、スーパーカミオカンデの建設を支援。02年にノーベル物理学賞を受賞した後は、その賞金などを基に平成基礎科学財団を設立する(現在は解散)。学生向け講演会の実施などを通して、基礎科学の面白さを啓蒙した。故戸塚洋二東大特別栄誉教授や、梶田隆章東大卓越教授などの後進を育て、日本における素粒子研究の基礎を築いた。

 

 訃報を受け、五神真総長は「本学を代表する卒業生、研究者のお一人として、本学の教育研究活動を長期にわたり高いレベルで先導されました」、梶田卓越教授は「研究者としてのあるべき姿を小柴先生を見ることによって教えてもらいました」とそれぞれコメントしている。

 


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