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2024年4月20日

東大、卓越大の「第2回公募に応じるのが適当」 学内タスクフォースの報告書を公開

 東大は3月12日、国際卓越研究大学(卓越大)の第2回公募への申請が適当だとする報告書を公表した。次回公募に向けCollege of Design(2027年創設予定の5年制新課程)を軸とした改革構想の全学的な議論を進めるとした。

 

 報告書では第1回公募について、初回公募時の計画は選考で期待された項目を概ね満たしていたが、内容の網羅性がかえって選考委員による全容把握を妨げたと総括。併せて改革の規模に反し「総合的な議論を行う時間的余裕がなかった」と分析した。審査側の包括的理解が容易になるよう、申請資料の精選が必要だという。

 

 初回選考後、12月には国立大学法人法改正で東大に運営方針会議(中期計画などの決議、大学運営の監督を担う)設置が義務付けられ、3月には卓越大のガバナンス体制の方向性が明らかにされるなど新たな動きが見られた。報告書は、法改正による同会議の設置は卓越大の要件にかなうもので、卓越大の申請に当たり「合議体に学長の選考・解任の権限を持たせるような制約」は課されないと判断。UTokyo Compass(藤井総長が掲げる東大の基本方針)推進の手段として卓越大の構想を策定する従来の方針を維持し、次回公募に応じることが適当と結論付けた。

 

 初回の選考で文部科学省の有識者会議は、東大が提示したCollege/School of Design創設の計画を高評し、具体的な構想の学内での共有・全学的な推進が確認できれば認定候補となり得ると指摘。これを踏まえ報告書では同構想を着実に進め計画骨子を作成すると同時に、各政策について全学的な議論を深めることが提案された。

 

 卓越大は文部科学省主導の新制度。認定された場合、10兆円規模の大学ファンドによる助成を受けられる。海外に比べて日本の大学が資金面で劣り、研究論文の質・量が低調であることが背景にある。

 

 東大は昨年の第1回公募に申請。「市民目線の知の統合による新たな学術領域の創出と社会のwell-being向上への貢献」など八つの主要政策と40に及ぶ施策を掲げた申請書類を提出したが落選した。これを受け東大は昨年10月に「国際卓越研究大学対応タスクフォース」を設置。第2回公募に向けた方向性の検討を重ね、今回の報告書をとりまとめた。

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