教養学部は8月18日、「東京新聞の報道に対する抗議文について」として掲載していた文書の公開を停止した。学生と保護者、教職員に学部の立場を説明するという当初の目的が達成されたためとしている。9日付で「東京新聞」編集局から同抗議文への回答があったことも同時に明かした。
学部は公開停止の前提として「東京新聞」から得た回答と学部の見解との隔たりが依然として大きいことを明記。同紙の報道姿勢について「正確な事実を伝えるという報道の使命に照らして依然として疑問を禁じえません」と非難した。
抗議文は5日から教養学部のウェブサイトに掲示されていた。新型コロナウイルス感染症による欠席で単位が不認定になったとして救済措置を求める前期教養課程の学生に関して「東京新聞」が一方的な報道を行ったと強く抗議していた。学部は「学生の一方的な申し入れに沿って同新聞がこれを記事にしたことにより、メディアからの問い合わせが殺到する事態」となったことを、抗議文公開の理由としている。
今回の公開停止が、当該学生の単位が不認定となった理由などについても述べていた抗議文の内容の撤回に当たるのかについて、東京大学新聞社は学部に確認中。
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