起業家である木寺祥友氏は、同時に日本屈指の「プログラマー」でもある。
そもそも何故木寺氏は、「インターネット業界の第一任者になろう」と考えたのか。
圧倒的な待遇の差
きっかけは、木寺氏が大学中退直後に従事していた、ビデオ撮影の仕事での一コマだ。
その日は、真夏のゴルフ場での撮影であった。ゴルファーのショットのシーンなどを撮るために、ADとして働いていた木寺氏は、ショットの音を取るために、ゴルファーの足元に這いつくばって、ボールに向かってマイクを差し出していた。
そうして真夏の屋外で汗水を垂らしながら働いている、肉体労働者であるADを後目に、ビデオの編集を当時まだ珍しかったパソコンを使って行なう担当者たちは、涼しい屋内で仕事をしていた。
「僕が屋外で、ミスショットした場合、ボールが顔面に当たるかもしれない中で仕事をしているときに、彼らはパソコンができるというだけで、涼しい屋内で高給の仕事をしている。そんな現実を見て、これからはパソコンができないといけない、と決心しました」と当時を語る。
そのような決心を胸に、Javaプロジェクト、Docomoのiアプリプロジェクトを成功させた木寺氏は、よくFaceBook創設者のザッカー・バーグを例に引く。
最後に勝つのはプログラマー
映画『ソーシャル・ネットワーク』にも描かれているが、ハーバード大学発のコミュニティサイトで、その後世界を席巻するFaceBookには、実は先行する同種の「ConnectU 」というライバル・サイトがあった。このサイトの運営者の大学生たちが、ハーバード内で辣腕のプログラマーを探し、ザッカー・バーグに白羽の矢が立つ。
依頼されたザッカー・バーグは、自身の手でConnectUをクオリティ面ではるかに上回る「The FaceBook」を単独で構築し、リリースする。
無論依頼者側は激怒し裁判沙汰にまでなるが、その後は皆様がご存じの通り FaceBookが社会的に成功し、今日に至る。
「この構図に全てが現れています。依頼者は、サイトをプログラムする力がなかった。プログラマーの方が強いんですよ」と、木寺氏は語る。
「プログラマーは神です」
時はインターネット時代。「ITの力は起業に必須」という木寺氏が示す、今後の世界の見取り図を要チェックだ。
日時:5月17日(日)14:00~16:00(開場13:30)
場所:東京大学本郷キャンパス法文1号館22番教室(正門入りまっすぐ・安田講堂手前)
事前申し込み不要。当日会場までお越しください。