10月15日 (水)、午後6時30分~7時55分、駒場Ⅰキャンパス21KOMCEE WEST地下1階レクチャーホールにて、教育改革の概要説明の後、濱田純一総長も参加するパネルディスカッションが行われる。イベントの様子は、東京大学新聞社のツイッター(@UTNP)で発信される予定だ。
来年度から始まる4ターム制などの総合的な教育改革に関するイベントが、10月15日に駒場Ⅰキャンパスで実施される。改革の概要について永田敬副学長が、学生に説明する。その後のパネルディスカッションには、濱田純一総長も参加。教員や学生と意見を交わす。現役の総長が学生と話し合うイベントに参加するのは異例のことだ。
学生と教員らのパネルディスカッション
このイベントは濱田総長の意向で開催に至った。関係者によると「総長は常々、学生と公の場で話し合う機会を設けたいと話していた」という。イベント名「濱田総長と語る集い―教育改革と新学事暦で学生は変わるか」にも、その意向は表れる。全体の司会進行も学生2人が務めるなど、学生主導のイベントになる見込みだ。
イベント冒頭、濱田総長が開会のあいさつを担当。その後、永田副学長が教育改革に関する概況を説明する。永田副学長は、4ターム制導入などの教育改革に長らく最前線で関わってきた。教育改革の理念や主な取り組みを紹介する。
新学事暦など教育改革に関する説明を受けて、「理念や取り組みに対して自身の経験を踏まえて思うこと」をテーマに、15分のパネルディスカッションが実施される。学生4人と濱田総長、その他に3人の教員が登壇する。
全学交換留学プログラムや初年次休学制度「FLY Program」などで海外に留学した経験を持つ学生が参加する。英語だけで学位が取得できる「PEAK」に所属する学生も参加し、日本への留学生の立場から意見を述べる。
学生3人と濱田総長以外に登壇するのは、林香里教授(情報学環)、藤井輝夫教授(生産技術研究所)、矢口祐人教授(総合文化研究科)。林教授は学部よりも国際化が進んでいる大学院の教授として、その現状の紹介と学部生に向けての進言を行う。藤井教授は体験活動プログラムやFLY Programに関わっており、学生の自主的な活動についての知見を持っている。矢口教授はPEAKに構想当初から関わる人物。今回の教育改革には国際化に向けたものが多い。英語を教える駒場の教員として、改革についての意見が期待される。
質疑応答の質問を募集
ディスカッションの後には質疑応答の時間が約30分設けられる。他の学生を交えての意見交換がなされる予定だ。「学生の意見を聞きたい」というイベントの趣旨から、質疑応答にはディスカッションの2倍の時間が当てられている。
さらに多くの学生の意見を取り入れる目的で、実際に会場にいる人以外にも、イベントの様子が随時発信される。開式後から閉会まで、東京大学新聞社のツイッター(@UTNP)で発信。会場にいない人でも、イベントの様子を把握できる。東京大学新聞社はツイッターで質問を募集し、集まった質問の中からいくつかを選定し、会場で代わりに質問をする予定だ。
来年度に4ターム制が始まるなど、東大の総合的な教育改革が進行する中で開催されるこのイベント。イベントが東大本部のある本郷キャンパスではなく駒場Ⅰキャンパスで開催されるのは、今後の東大により長く関わっていく学部1、2年生の意見を聞きたいからだと考えられる。
学部ごとに異なる4ターム制への移行や授業時間・時間割の変更、カリキュラム改革に卒業単位数の削減など、現在進められている教育改革は在校生に大きな影響を与えるだろう。東大がどこに向かおうとしているのか、考える機会となるだろう。
この記事は、2014年10月14日号からの転載です。本紙では、他にもオリジナルの記事を掲載しています。