新型コロナウイルスが昨年に引き続き猛威を振るった2021年。感染拡大防止のため、一部の大会が中止になったり練習が制限されたりとさまざまな制約があったが、その中でも輝く東大運動部の姿が見られた。今回の企画では七つの運動部に今年1年を振り返ってもらうとともに「今年の漢字」と「ベストショット」を選んでもらった。「没・輝」「楽」「土」「一」「昇」「挑」「遂」、部員の笑顔がまぶしいワンショット。それぞれの部の個性あふれる今年の漢字とベストショットを通して東大運動部の2021年が見えてきた。(構成・安部道裕)
女子ラクロス部主将・山口さんは「土」
2021年の主将を務めた山口さん(農・4年)。コロナ禍の状況で、いつ試合が行われるのか不確かな1年間だった。「常に試合出場に備えなければならず、大変でした」。本年度は、七大戦などは行われず、関東学生リーグのみの開催。1勝1敗の成績を残し、2部リーグ残留となった。
山口彩音さんが選んだ漢字は「土」。今年は例年と異なり、1年間で終わる目標でなく、中・長期的な目標を立てるという新たな取り組みを行ってきた。「1部昇格という目標達成には至らず、芽を出せませんでしたが、土台となる土を耕すことはできました」
今年のベストショットは日本女子大学との今季最終戦での1コマ。リーグ戦1試合目で敗北し、1部昇格の目標に到達できないことが確定した中での試合だったが17─3と大差で勝利。出場した4年生は全員ゴールを決めることができ、有終の美を飾った。公式戦初出場ながら得点を挙げた2年生もおり、今後への期待も高まる。「必ずや後輩たちが、自分たちの目標を達成してくれると信じています」と笑顔で語った。
ラグビー部主将・杉浦さんは「挑」
9〜11月の関東大学対抗戦の成績は4勝3敗で、グループBの8チーム中4位だったラグビー部。杉浦育実さん(文・4年)は「目標だった入替戦出場を達成できなかったので、結果に満足はしていません。しかし1年間プレーしてきた中で自分たちの成長は感じています」とこの1年を振り返る。
杉浦さんの選んだ漢字は「挑」。今年はチームで「Enjoy the Challenge」というスローガンを掲げ、自分たちがどれだけできるか「挑戦」してきた。フィジカルトレーニングをより厳しいものにするなど、さまざまな改革も行ったという。
今年のベストショットは初戦の上智大戦で劇的な勝利を収めた時のワンショット。「厳しいトレーニングを積んできた努力が報われてうれしかったです。また、全員でその喜びを共有できるほど結束力の強いチームになれていると実感した瞬間でもあり、主将としても非常に幸せでした」
対抗戦は終わったが、あと1カ月シーズンは残っている。「自分たちのしたいラグビー、相手を圧倒するラグビーを完成させるというのがこの先の目標です」