受験生の皆さんは、受験当日に向けて何年も必死で勉強してきたことだろう。しかしどれだけ準備が万端でも、当日に何が起こるか分からないと悩んでいる人もいるのではないだろうか。受験本番のコンディションは直前の勉強や生活に大きく左右される。そこで今回は東大生にアンケートを行い、自分が受験生だった時に、受験直前期をどのように過ごしたか尋ねた。リアルな過ごし方を参考にして、当日に全力が出せるように頑張ってほしい。(構成・本林凌)
今回の質問
直前期や当日はどんな勉強や生活をするのが良いのでしょうか。
※実際の回答の一部を抜粋したり、文意を変えない範囲の変更を加えたりしている箇所があります
Q.前日などの受験直前期はどんな勉強をしていましたか?
▶直前も変わらず勉強し続けていたタイプ
・模試前にやっていたものと同じ参考書をやった(理I・1年)
・過去問を解いていた気がする(文III・1年)
・直前まで過去問を十分にやれていない気がしたので、とりあえず答えだけでも見るようにしていた。意外と本番でも役に立った(文III・1年)
・世界史や地理の記述の解答を読んだ(文III・1年)
・勉強していないと落ち着かないタイプだったので、前日も今まで解いたことのある問題や予備校の授業の復習を中心にしっかり勉強した(理I・2年)
・苦手な数学より得点源の英語や国語、少しでも頑張れば点が伸びそうな世界史の論述練習に注力した。前日はホテルへの移動があったので、そこまで勉強しなかった(文I・2年)
・新しい問題は解かず、これまで間違えてきた問題のまとめノートを復習していた(理I・1年)
・古典漢文のまとめと数学のアイデアノートみたいなものを見ていた(理I・1年)
▶勉強していなかったタイプ
・受験当日のために生活リズムを整えた。勉強はほとんどしていない(文II・2年)
・そわそわして何をしても続かなかった。今思うと、リスニングを聞き流しておけば良かった(理I・1年)
・勉強せず東京観光。ホテルの部屋で踊っていた(文III・1年)
あまり勉強しない人と、最後まで勉強し続ける人で分かれました。これまでの勉強時間に比べると直前の勉強時間はほんのわずか。直前に勉強をするかしないかは、どちらの方が落ち着くかで決めると良さそうです。
Q.受験当日はどのように過ごしていましたか?
▶勉強していたタイプ
・試験前はたくさん書き込んだ、お守りのようなまとめのノートを眺めて、自分はこんなに勉強してきた、ということを自分に言い聞かせていた(理I・1年)
・直前に見返すためのプリントを自分で作成していたので、それを見ていつも通り勉強した(理I・2年)
・直前期に自分で作った、知識の抜け落ちやすい箇所のまとめプリントを見ていた(文III・1年)
・勉強不足で後悔したくなかったので、次の科目の勉強をしていた(文III・1年)
・リスニングの演習をしていた(文I・2年)
▶ゆっくり過ごしていたタイプ
・試験前後は母と他愛もない話をして、休憩時間は参考書をパラパラと見て過ごした(理I・1年)
・誰とも喋らず、ぼーっとしていた(文III・1年)
・1日目は、できるだけ試験とは関係ない話を友達としてリラックスしていた。1日目が終わった後は、数学の出来が良くなかったので、ずっと泣いていた(理I・1年)
・英語を聞き流し、昼は同じ高校の人と会話(法・3年)
・絶対に復習すると決めていた範囲を復習してあとはご飯を食べたりトイレに行ったりして時間を潰した(理I・1年)
・笑顔の自撮りを友達と家族に送った(文II・2年)
東大は筆記試験が2日間にわたって行われる上、休憩時間も長く、教科間の切り替えがポイント。当日は、受験直前に比べるとのんびり過ごした人が多かったです。英語を聞き流し、耳を慣らしておくのも良いかもしれません。
Q.受験直前の生活で気を付けたことはありますか?
▶睡眠に関すること
・睡眠時間を削らないようにしていた(理I・1年)
・朝型生活(理・3年)
・受験前日と当日はホテルに泊まったので、いつもと違う環境で睡眠の質が悪くならないように、家の枕を持って行った(理I・1年)
・2日前はわざと寝不足にして、前日はよく眠れるようにした(法・3年)
・よく寝ること(文I・2年)
▶勉強に関すること
・タイプによると思うが、私はとにかく勉強したいタイプだったので、とことん無駄な時間を切り詰めて勉強した(理I・2年)
・外で勉強すること(文III・1年)
▶その他
・もともとお腹を壊しやすいので、1週間前から肉、生魚、揚げ物、牛乳などを避けるようにしていた(理I・1年)
・普段は運動をしないタイプだが、体を動かさないと脳が鈍る気がしたので、ちょくちょく走っていた(文III・1年)
・自分を追い詰めないよう、音楽を聴きながらの散歩などの時間を取っていた(文III・1年)
睡眠に関するものが多かったです。試験中に眠くなると大変なので、各自のやり方で確実に起きられるように工夫すると良いでしょう。睡眠に限らず「自分のタイプに合わせて取り組んでほしい」とのアドバイスもありました。